上告理由は、上告理由書自体に記載すべきであつて、他事件についての上告理由書の記載を引用することは許されない。
上告理由として他事件についての上告理由書の記載を引用することの適否
民訴法389条
判旨
上告理由は上告理由書自体に記載すべきものであり、他事件の上告理由書の記載を引用することは許されない。
問題の所在(論点)
上告理由書において、他事件の上告理由書の記載を引用する方法により上告理由を提示することが許されるか、その適法性が問題となる。
規範
上告理由書には、当該事件における上告理由を直接記載しなければならず、別事件の上告理由書を引用する形式での記載は不適法である。
重要事実
上告人が、上告理由書において当該事件の上告理由を具体的に記述せず、別の上告事件(昭和25年(オ)第37号)の上告理由と同一であることを理由に、その記載を引用する旨のみを記載した。
あてはめ
上告理由は、上告理由書自体に具体的に記載されるべき事項である。本件において上告人は他事件の記載を引用するに留まっており、書面自体に理由が具備されていない。そのため、実質的に上告理由の記載がないものと同視され、期間内に適法な上告理由書が提出されなかったものと評価される。
結論
他事件の記載を引用した上告理由書は不適法であり、期間内に有効な理由書の提出がないものとして、上告は却下される。
実務上の射程
書面主義が要求される手続において、他事件の書面を包括的に引用することの禁止を確認したものである。民事訴訟法上の書面提出義務を厳格に解釈する際の根拠として機能する。
事件番号: 昭和26(オ)168 / 裁判年月日: 昭和26年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件上告は、民事上告事件の審判の特例等に関する法律が定める上告理由のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な事項を含むものとも認められないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、上告人は上告理由を主張したが、判決文からはその具体的な主張内容や基…