判旨
農地の賃貸借契約の解除につき、その適法性および正当性が認められない場合には、解除の効力は発生しない。
問題の所在(論点)
農地の賃貸借契約の解除が「適法且正当」と言えない場合に、当該解除の効力が認められるか。
規範
農地の賃貸借契約を解除するためには、その解除が適法かつ正当なものでなければならない。適法性および正当性を欠く解除権の行使は、実効性を有しない。
重要事実
上告人は、本件農地に関する賃貸借契約の解除を主張して争った。しかし、原審(控訴審)は、当該解除が適法かつ正当なものとは言えないと認定した。上告人はこれを不服として、原判決の認定に副わない事実を前提とした法令違反等を理由に上告した。
あてはめ
原判決が確定した事実関係によれば、本件における賃貸借の解除は「適法且正当なものとは言えない」と判断されている。最高裁判所もこの原審の判断を適法な事実認定に基づくものとして肯定し、上告人の主張には理由がないとした。
結論
本件農地の賃貸借解除は適法かつ正当とは認められないため、解除は無効であり、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決自体は簡略な上告棄却判決であるが、農地法等の特別法が介在する賃貸借関係において、解除の有効性には単なる意思表示だけでなく「適法性・正当性」という実質的要件が重視されることを示唆している。答案上は、農地賃貸借の解約制限法理の背景として言及し得る。
事件番号: 昭和27(オ)1005 / 裁判年月日: 昭和33年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】農地の賃借権譲渡につき地方長官の許可や農業委員会の承認がない場合であっても、地主が当該譲渡を承諾している限り、自作農創設特別措置法上の小作地にあたると解するのが相当である。したがって、当該譲受人は、同法に基づき当該農地の遡及買収を申請する適格を有する。 第1 事案の概要:D農業委員会は、不在地主E…