判旨
組合の議事細則に定める採決方法以外の方法による採決も、同細則が他の方策を禁止する趣旨でない限り許容され、議場での採決に当たり賛否を確認する便宜として一時的に場外で整列させる行為は、直ちに議場外採決として違法となるものではない。
問題の所在(論点)
1. 議事細則に列挙されていない方法による採決は、同細則違反として無効となるか。2. 採決の便宜のために賛成者を一時的に議場外へ整列させる行為は、「議場外での採決」として違法となるか。
規範
団体の議事細則等に定める採決方法は、特段の事情がない限り例示的なものと解され、列記されていない方法による採決を直ちに禁ずる趣旨ではない。また、採決の手続が適法か否かは、実質的に議場において表決が行われ、かつ賛否の数が明確に確認できる状態であったか否かによって判断すべきである。
重要事実
被上告人(組合)において、議事細則15条に定められた方法以外の方法により採決が行われた。その際、議場における採決に先立ち、賛否の数を明確にするための便宜上の手段として、賛成者を一時的に議場外へ整列させた上で計数が行われた。上告人は、これが細則違反であり、かつ議場外での採決にあたるとして、当該決議の効力を争った。
あてはめ
1. 組合議事細則15条の規定は、同条に列挙された採決方法以外の方法を用いることを一律に禁止する趣旨ではない。したがって、細則外の方法を採用したこと自体が直ちに手続上の違法を構成するものではない。2. 本件において賛成者を議場外に整列させたのは、あくまで議場における採決に際して賛否の数を明確にするための「便宜」にすぎない。これは実質的な採決を議場外で行ったことを意味するものではなく、議場における意思決定の正確性を担保するための補助的手段であると評価できる。したがって、適法な議場内での採決の一過程として容認される。
結論
本件採決方法は議事細則に違反せず、また議場外採決としての違法も認められない。したがって、当該決議は有効である。
実務上の射程
社団法人や組合等の内部意思決定手続において、規則に明文のない採決方法を採用する場合や、計数のために物理的な移動を伴う場合の適法性判断に活用できる。形式的な規則違反よりも、議事運営の合理性や表決の正確性という実質面が重視される傾向を示す。
事件番号: 昭和25(オ)406 / 裁判年月日: 昭和35年8月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】仮処分の必要性に関する原審の判断が正当である場合には、その余の論点について判断することなく上告を棄却することができる。 第1 事案の概要:上告人は本件仮処分命令の決定に対し、保全の必要性等の欠如を理由に上告を申し立てた。原判決は本件仮処分の必要性を肯定する判断を示していた。 第2 問題の所在(論点…
事件番号: 昭和35(テ)28 / 裁判年月日: 昭和37年2月23日 / 結論: 棄却
組合財産の処分が業務執行としてなされる場合、組合員の過半数を以て決せられるのを原則とすることは民法第六七〇条の明定するところであるから、組合契約上別段の定めがないかぎり、組合員はかかる業務執行を当然のこととして組合契約をしたものとすべく、過半数の決議によつて所有者の意思に反し財産権を奪うことを前提として憲法第二九条違反…