判旨
仮処分の必要性に関する原審の判断が正当である場合には、その余の論点について判断することなく上告を棄却することができる。
問題の所在(論点)
仮処分の必要性に関する原審の判断が正当である場合に、他の上告理由について判断を尽くす必要があるか。
規範
仮処分の保全の必要性(民事保全法13条2項参照)が認められるか否かの判断において、原審の認定・判断に違法がない場合には、権利の存否等の他の要件を検討するまでもなく、申立てを認容または上告を棄却することが認められる。
重要事実
上告人は本件仮処分命令の決定に対し、保全の必要性等の欠如を理由に上告を申し立てた。原判決は本件仮処分の必要性を肯定する判断を示していた。
あてはめ
最高裁判所は、原判決が本件仮処分の必要性について示した判断を正当と認めた。そのため、上告理由のその余の点(権利の存否等に関する事項と推測されるが判決文からは不明)について判断するまでもなく、結論を導くことが可能であると判断した。
結論
本件上告を棄却する。
実務上の射程
保全処分の必要性という要件が充足されているか否かが争点となる事案において、裁判所が当該要件の具備を肯定した原審の判断を維持する場合、審理の効率性の観点から他の論点に踏み込まずに結論を出す手法を示すものである。
事件番号: 昭和28(オ)306 / 裁判年月日: 昭和29年4月30日 / 結論: 棄却
一 民訴第七五九条の特別事情による仮処分取消の申立は、仮処分申請事件の口頭弁論において、抗弁としてなすこともできる。 二 仮処分によつて保全せらるべき権利が金銭的補償によつてその終局の目的を達し得るかどうかは、本案訴訟における請求の内容および当該仮処分の目的等諸般の状況に照らし、社会通念に従い客観的に考察し判断すべきも…