判旨
賃貸借契約の解約申入れがなされた場合、特段の事情がない限り、申入れの日から民法所定の期間を経過した時点で契約は終了する。本判決は、昭和22年2月25日の解約申入れに対し、6ヶ月経過後の同年8月25日をもって賃貸借が終了したとした原審の判断を妥当とした。
問題の所在(論点)
期間の定めのない賃貸借契約において、解約申入れ後どの程度の期間が経過すれば契約終了の効力が生じるか、また本件における終了日の認定が妥当か(民法617条等、解約申入れによる終了時期の確定)。
規範
期間の定めのない賃貸借契約において、解約の申入れがなされた場合、申入れの日から民法が定める一定の期間(民法617条1項、当時の借地借家法等の特別法を含む)が経過することによって、契約終了の効力が生じる。
重要事実
本件では、賃貸人から賃借人に対し、昭和22年2月25日に賃貸借契約の解約申入れがなされた。原審は、この解約申入れに基づき、6ヶ月の期間が経過した昭和22年8月25日をもって本件賃貸借契約が終了したと判断した。これに対し、上告人がその終了時期等を争って上告したものである。
あてはめ
本件における事実関係によれば、昭和22年2月25日に解約の意思表示がなされている。この申入れは契約を終了させる確定的な意思表示であり、そこから法定の据置期間である6ヶ月が経過した昭和22年8月25日の時点で、賃貸借契約は適法に終了したものと解される。原審の判断に法令違反や不合理な点は認められない。
結論
昭和22年2月25日の解約申入れから6ヶ月を経過した昭和22年8月25日をもって、本件賃貸借契約は終了する。
実務上の射程
本判決は非常に簡潔な上告棄却判決であるが、解約申入れによる契約終了の時期が申入れから法定期間経過後であることを再確認している。実務上は、借地借家法の正当事由(旧法下および現行法28条)の有無が争点となることが多いが、本判決の文面上、正当事由の具備を前提とした期間計算の論理として位置づけられる。
事件番号: 昭和39(オ)12 / 裁判年月日: 昭和41年10月20日 / 結論: 棄却
使用貸借の解約告知に基づく家屋明渡訴訟を維持し口頭弁論を行なつた場合には、もしさきの解約告知の効力が認められないとすればあらためて解約告知をなす意思を、弁論の都度表示したものと解すべきであり、告知の時期を異にすることにより、明渡請求権が別個の権利となるものではない。