期間の定ある建物の賃貸借が借家法第二条にもとづき更新されたときは、期間の定のない賃貸借となり、賃貸人は、その後正当の事由があるかぎり何時でも解約の申入をすることができる。
期間の定ある建物の賃貸借の法定更新後の期間
借家法2条,民法619条
判旨
期間の定めのある賃貸借が、更新拒絶の通知がないために更新された場合、その賃貸借は期間の定めのないものとなり、賃貸人は正当事由がある限りいつでも解約申入れができる。
問題の所在(論点)
期間の定めのある建物賃貸借が法定更新された後の契約の性質(期間の定めの有無)と、その後の賃貸人からの解約申入れの可否が問題となる。
規範
期間の定めのある賃貸借につき、借家法2条(現・借地借家法26条1項)に基づき法定更新された場合、その契約は期間の定めのない賃貸借に移行する。この場合、賃貸人は正当事由を備える限り、いつでも解約の申入れを行うことができる(現・借地借家法27条、28条)。
重要事実
賃貸人(被上告人)と賃借人(上告人)との間の賃貸借契約において、昭和22年3月31日の期間満了前に更新拒絶の通知がなされなかった。そのため、契約は一旦更新されたが、賃貸人はその後、昭和23年5月に正当事由に基づき解約の申入れを行った。賃貸人は賃貸借の終了を主張して建物の明け渡し等を求めたものと解される。
あてはめ
本件では、期間満了時に更新拒絶がなかったため、法定更新により「期間の定めのない賃貸借」へと移行している。期間の定めのない賃貸借において、賃貸人は正当事由があれば解約の申入れが可能である。事実関係によれば、賃貸人は更新後の昭和23年5月に正当事由に基づき解約を申し入れており、法定の据置期間である6ヶ月が経過した時点で、賃貸借契約は適法に終了したものと評価される。
結論
法定更新により期間の定めのない契約となった賃貸借は、正当事由に基づく解約申入れから6ヶ月の経過により終了する。
実務上の射程
法定更新後の賃貸借の性質が「期間の定めのないもの」になることを明示した基本判例。現行の借地借家法26条1項後段に明文化されているが、更新後の解約申入れの効力発生時期(同法27条1項)を論じる際の前提として重要である。
事件番号: 昭和24(オ)104 / 裁判年月日: 昭和27年1月18日 / 結論: 破棄差戻
期間の定ある建物の賃貸借が、更新拒絶の通知が効力なく、借家法第二条によつて前と同一条件をもつて更新された場合でも、賃貸人は、その後正当の事由あるかぎり、解約の申入をすることができる。
事件番号: 昭和27(オ)494 / 裁判年月日: 昭和29年3月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】賃貸借契約の解約申入れがなされた場合、特段の事情がない限り、申入れの日から民法所定の期間を経過した時点で契約は終了する。本判決は、昭和22年2月25日の解約申入れに対し、6ヶ月経過後の同年8月25日をもって賃貸借が終了したとした原審の判断を妥当とした。 第1 事案の概要:本件では、賃貸人から賃借人…