判旨
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、旧民事訴訟法419条の2(現行330条の特別抗告に相当)に定められた、原決定の憲法適合性に関する判断を不当とする場合に限られる。最高裁判所に対する抗告において、通常の上告理由(旧413条)を準用することはできない。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する民事抗告において、旧民訴法413条(通常の上告理由に関する規定)を適用または準用し、憲法判断以外の事由を抗告理由とすることができるか。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られる。民事事件においては、旧民訴法419条の2(特別抗告)に定められた事由、すなわち「原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかについてした判断を不当とするもの」のみが許容される。これに対し、上告理由の一般規定(旧413条等)は最高裁判所への抗告には適用されない。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。この抗告において、抗告人は憲法違反等の特別抗告事由ではなく、通常の上告理由に相当する主張を行ったものと考えられるが、記録上、最高裁判所に抗告を申し立てることが許される特段の事由(憲法判断の不当性)が認められなかった。
あてはめ
最高裁判所に対する抗告については、旧民訴法419条の2が排他的な規定であると解される。本件の一件記録によれば、抗告人の主張は、原決定が憲法に適合するか否かの判断を不当とするものではない。したがって、法が特に認めた「最高裁判所に抗告を申し立てることができる場合」に該当せず、その余の法律違反等を主張したとしても、最高裁判所に裁判権は認められない。
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
事件番号: 昭和26(ク)95 / 裁判年月日: 昭和26年7月24日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告申立ては、憲法違反を理由とする特別抗告(旧民事訴訟法419条の2)に限定され、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの裁判(詳細は判決文からは不明)に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、当該抗告の理由は、原決定において憲…
実務上の射程
最高裁への直接の抗告(特別抗告)の対象は憲法問題に限定されるという原則を確認するものである。実務上、高裁の決定等に対して最高裁へ抗告する際は、現行民訴法330条に基づき、憲法解釈の誤りや憲法違反を具体的に構成する必要があり、単なる法令違反や事実誤認を理由にすることはできない。
事件番号: 昭和25(ク)126 / 裁判年月日: 昭和26年3月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、それ以外の事由による抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定における憲法、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかにつ…
事件番号: 昭和26(ク)19 / 裁判年月日: 昭和26年4月30日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許された場合に限り認められ、民事事件においては、憲法違反を理由とする特別抗告(民事訴訟法336条、旧419条の2)のみが許容される。最高裁判所に対する抗告申立てには、通常の抗告に関する規定(旧413条等)は適用されない。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の…
事件番号: 昭和26(ク)48 / 裁判年月日: 昭和26年5月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限定される。民事事件においては旧民事訴訟法419条の2(現行336条1項)所定の憲法違反を理由とする場合に限られ、その他の理由による抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を…
事件番号: 昭和26(ク)28 / 裁判年月日: 昭和26年5月9日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律に特別の定めがある場合に限り認められ、民事事件においては旧民事訴訟法419条の2(現行336条1項)が定める憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの裁判(詳細は判決文からは不明)を不服として、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし…