判旨
最高裁判所に対する抗告申立ての期間は、民事訴訟法上の特別抗告の規定に従い、裁判の送達を受けた日から5日以内である。この期間を経過した後の抗告申立ては不適法として却下される。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告の申立期間は何日か、また、その期間を経過してなされた抗告の適法性が問題となる。
規範
最高裁判所が抗告について裁判権を有するのは、訴訟法において特に認められた場合に限られる。民事事件においてこれに該当するのは、民事訴訟法(旧法)419条の2に定められた抗告(特別抗告)のみである。したがって、最高裁判所に対する抗告申立期間については、通常の抗告に関する規定ではなく、同条が定める5日の期間制限が適用される。
重要事実
抗告人は、東京高等裁判所が昭和26年3月16日にした決定に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。当該決定は同年3月21日に抗告人へ送達されたが、本件抗告状が最高裁判所に提出されたのは、送達の日から5日を経過した同年3月28日であった。
あてはめ
本件において、抗告人が原決定の送達を受けたのは3月21日である。最高裁判所に対する抗告申立期間は、民事訴訟法419条の2に基づき5日以内であると解されるところ、抗告人が実際に抗告状を提出したのは3月28日であり、送達から7日が経過している。したがって、本件抗告は法定の不変期間内になされたものとはいえず、期間を徒過したものと評価される。
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁への不服申立てが、通常の抗告期間(現在は1週間)ではなく、特別抗告としての短期間(5日)に拘束されることを示す。現行民訴法336条2項(5日)の運用においても、期間遵守の厳格性を確認する際の基礎となる判例である。
事件番号: 昭和25(ク)70 / 裁判年月日: 昭和25年9月21日 / 結論: 却下
原決定正本が第三者方に設置してある抗告代理人の事務所に送達され、抗告代理人が右第三者から原決定正本を受領したのは、原決定に対する抗告申立期間経過後であつたとの事由は、不変期間不遵守について当事者の責に帰することができないものとは認められない。
事件番号: 昭和26(ク)45 / 裁判年月日: 昭和26年6月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に抗告を申し立てる場合には、民事訴訟法第419条の2に基づき、送達を受けた日から5日以内に申し立てなければならず、これを超えた申し立ては不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、東京高等裁判所が昭和26年2月27日に行った決定に対し、最高裁判所への抗告を申し立てた。当該決定は…
事件番号: 昭和26(ク)199 / 裁判年月日: 昭和26年12月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限定される。民事事件においては、原決定の憲法適合性に関する判断を不当とするもの(特別抗告)に限り適法となる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告理由は、原決定が憲法に適合するか否かにつ…
事件番号: 昭和26(ク)88 / 裁判年月日: 昭和26年9月7日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告申立ての期間は、民事訴訟法上の特別の定め(現行の許可抗告制度等に相当)に基づき、送達を受けた日から5日以内であると解される。 第1 事案の概要:東京高等裁判所が昭和26年4月27日に下した決定が、同年5月12日に抗告人へ送達された。抗告人は本件決定を不服として最高裁判所に対し…
事件番号: 昭和26(ク)32 / 裁判年月日: 昭和26年7月14日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告については、民事訴訟法上の特別の定めがある場合に限り許容され、その申立期間は、特別抗告に関する規定(民訴法330条、旧419条の2)に従い、裁判の告知を受けた日から5日以内と解される。 第1 事案の概要:抗告人は、東京高等裁判所が昭和26年1月31日にした決定に対し、最高裁判…