判旨
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事事件においては特別抗告(現民訴法336条1項)が認められる場合に限られる。また、その抗告理由は原決定における憲法判断の不当性を主張するものに限定され、単なる事実誤認の主張は不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告申立てが適法となるための要件、及び民事訴訟法413条(当時の規定。現行法における上告規定の準用等)が最高裁への抗告に適用されるか否かが問題となる。
規範
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を持つのは、訴訟法上特に許容された場合に限定される。具体的には、原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかについてなされた判断を不当とする理由(特別抗告の理由)がある場合に限られ、民事訴訟法上の通常の抗告規定を直接適用することはできない。
重要事実
抗告人は、原審の決定に対し、憲法32条(裁判を受ける権利)及び14条(法の下の平等)に違反する旨を主張して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その主張の実質は、原審が行った疎明資料の取捨選択に対する非難や、何ら疎明のない事実を前提とした原判決の不当性を指摘するものであった。
あてはめ
抗告人は憲法違反を主張するが、その実体は原審の疎明資料の評価や事実認定という事実関係の不服申し立てにすぎない。これは、憲法判断の不当性を理由とする特別抗告の適法な理由には該当せず、実質的に単なる事実誤認の主張といえる。したがって、訴訟法が最高裁判所への抗告を特に許容した類型には当たらない。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
事件番号: 昭和26(ク)176 / 裁判年月日: 昭和26年10月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に定めた場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法適合性に関する判断を不当とするもの(特別抗告)に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、民事事件の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由の内容は、原決定が憲法に違反…
最高裁への不服申立てが事実上「特別抗告」に限定されることを示しており、答案上では、抗告理由が単なる事実誤認や法令違反にとどまる場合は不適法却下となる旨を論述する際の根拠となる。ただし、現行法(336条、337条)の枠組みで論じるべき点に留意が必要である。
事件番号: 昭和25(ク)134 / 裁判年月日: 昭和26年10月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許された場合に限り認められ、民事事件においては憲法違反の判断を不当とする場合に限定される。実質的な憲法違反の主張を伴わない抗告は、不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所に対し、原決定を不服として抗告を申し立てた。抗告理由は、書面上は…
事件番号: 昭和25(ク)131 / 裁判年月日: 昭和26年10月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、原決定における憲法判断の不当を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)に限られる。単なる訴訟法規の解釈適用の違法を主張するものは、実質的に憲法違反の主張にあたらず、不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所…
事件番号: 昭和25(ク)136 / 裁判年月日: 昭和26年10月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法第419条の2(現行336条)に基づき、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られる。形式的に憲法違反を主張していても、実質的に単なる法令違反の主張にすぎない場合は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し最高裁判所へ抗告を申し…
事件番号: 昭和26(ク)207 / 裁判年月日: 昭和26年12月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、原決定における憲法解釈の不当を理由とする場合に限られ、旧民訴法413条に基づく抗告は認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由は原決定における憲法解釈の不当を主張するものではなく…