判旨
最高裁判所に対する抗告は、民訴法(旧法)等の規定に基づき、原決定における憲法判断の不当性を理由とする場合に限られ、実質的に単なる法令違反を主張するものは不適法である。
問題の所在(論点)
民事訴訟における最高裁判所への抗告(旧民事訴訟法419条の2、現行の特別抗告等に相当)において、実質的に単なる法令違反を主張することが適法な抗告理由となるか。
規範
最高裁判所が抗告について裁判権を有するのは、訴訟法において特に認められた場合に限られる。民事事件における最高裁判所への抗告理由は、原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かについてした判断が不当であること(憲法違反)に限定され、単なる法令違反の主張は適法な理由とはならない。
重要事実
抗告人は、本件競売手続において民法所定の滌除(抵当権消滅請求)の手続が踏まれていないこと、および競売法所定の競売申立書に原因事実の記載がないことを不服として最高裁判所に抗告を申し立てた。抗告人はこれらの事由を憲法違反と称して主張した。
あてはめ
本件抗告理由は、形式的には憲法違反を掲げている。しかし、その実質的な内容は、民法上の滌除手続の欠如や競売法上の申立書の記載不備を非難するものであり、単なる私法・手続法上の解釈ないし事実誤認の問題に帰着する。したがって、原決定における憲法判断の不当性を具体的に指摘するものとは認められず、最高裁判所への抗告理由として許容される範囲を逸脱している。
結論
本件抗告は、適法な抗告理由を欠く不適法な申し立てであるため、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁への不服申立てにおいて、憲法違反を形式的に主張しても、その実質が単なる法令違反や事実誤認の主張であれば、特別抗告や許可抗告の要件を欠くものとして却下されるという実務上の峻別を示す。
事件番号: 昭和26(ク)247 / 裁判年月日: 昭和26年12月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が、下級裁判所の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における…
事件番号: 昭和26(ク)160 / 裁判年月日: 昭和26年9月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許容された場合に限られ、民事事件においては原決定の憲法判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの民事事件に関する裁判につき、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定が憲法に適合するか否かの判…
事件番号: 昭和26(ク)210 / 裁判年月日: 昭和26年11月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律により特別に認められた場合に限られ、その抗告理由は原決定における憲法適合性の判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、民事事件に関して最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において原決定の憲法適合性に関する判断…
事件番号: 昭和26(ク)14 / 裁判年月日: 昭和26年5月10日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上特に認められた場合に限定され、実質的に訴訟法違反を主張するにすぎないものは不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。その抗告理由は、形式的には憲法違反を主張する名称を用いていたが、その実質的な内容は訴訟法…
事件番号: 昭和26(ク)216 / 裁判年月日: 昭和26年12月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限定される。民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条1項等)に定める特別抗告のみが認められ、憲法違反を理由とする場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理…