判旨
最高裁判所に対する抗告は、原決定に憲法違反の判断が含まれる場合に限られ、単なる民事訴訟法規の解釈の誤りを主張するものは実質的な違憲の主張に当たらないため、不適法である。
問題の所在(論点)
高等裁判所の決定に対する最高裁判所への抗告において、単なる民事訴訟法上の手続規定の解釈に関する不服を憲法違反と称して主張することが、適法な抗告理由(実質的な違憲の主張)として認められるか。
規範
最高裁判所に対する抗告(特別抗告・許可抗告等に相当する類型)の理由は、原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかについてした判断が不当である場合に限定される。単なる法令解釈の是非を争う主張は、実質的な憲法違反の主張には当たらない。
重要事実
抗告人は、高等裁判所が最初の抗告審としてなした決定に対し、民事訴訟法409条ノ4(旧法)の準用による異議の申立てが可能であるかという点について、原審の解釈を不服として最高裁判所に抗告を申し立てた。その際、形式的には憲法32条(裁判を受ける権利)違反を主張の根拠として掲げていた。
あてはめ
抗告人は憲法32条違反を主張しているが、その実体は高等裁判所がなした決定に対する異議申立ての可否という、民事訴訟法規の解釈の当否を争うものである。これは裁判所による憲法判断の不当性を指摘するものではなく、単なる法律解釈の誤りを憲法違反という言葉に置き換えたに過ぎない。したがって、最高裁判所が裁判権を有する適法な抗告理由を構成しないと解される。
結論
本件抗告は適法な抗告理由を欠くため、不適法として却下される。
実務上の射程
特別抗告(現行民訴法336条1項)や許可抗告の申立てにおいて、単なる法令違背を無理に憲法違反に結びつけた主張は排斥されるという実務上の運用を裏付ける判例である。憲法問題が真正に存在するか否かが門前払いの基準となる。
事件番号: 昭和26(ク)28 / 裁判年月日: 昭和26年5月9日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律に特別の定めがある場合に限り認められ、民事事件においては旧民事訴訟法419条の2(現行336条1項)が定める憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの裁判(詳細は判決文からは不明)を不服として、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし…
事件番号: 昭和26(ク)128 / 裁判年月日: 昭和26年7月30日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許容された場合に限られ、民事事件においては、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案において、その抗告理由が、原決定における憲法判断(法律、命令、規則又は処分が憲法に適合する…
事件番号: 昭和25(ク)126 / 裁判年月日: 昭和26年3月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、それ以外の事由による抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定における憲法、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかにつ…
事件番号: 昭和26(ク)11 / 裁判年月日: 昭和26年9月17日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民訴法(旧法)上の特別抗告等に限られ、その理由は原決定の憲法適合性に関する判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、原審がなした事実認定および罹災都市借地借家臨時処理法の規定の解釈に不服を抱き、形式的に「憲法違反」を名目として最高裁判所へ抗告を申し立てた。 …
事件番号: 昭和26(ク)19 / 裁判年月日: 昭和26年4月30日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許された場合に限り認められ、民事事件においては、憲法違反を理由とする特別抗告(民事訴訟法336条、旧419条の2)のみが許容される。最高裁判所に対する抗告申立てには、通常の抗告に関する規定(旧413条等)は適用されない。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の…