判旨
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律により特に最高裁判所への抗告が許された場合に限られ、その期間は5日である。本件抗告は送達から5日の不変期間を経過した後に申し立てられたものであるため、不適法として却下される。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告の申立期間は何日か。また、送達から8日が経過した後に申し立てられた本件抗告の適法性が問われた。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権を持つのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合(特別抗告等)に限られる。民事事件については、当時の民事訴訟法419条の2(現行法336条等に相当)に定める抗告のみがこれに該当する。この場合の抗告申立期間は、同条に基づき5日(不変期間)である。
重要事実
1. 東京高等裁判所が昭和26年6月20日に決定を行った。 2. 右決定は、同年6月24日に抗告人(申立人)に対して送達された。 3. 抗告人は、本件決定を不服として最高裁判所に対し抗告を申し立てたが、抗告状が原裁判所に提出されたのは同年7月2日であった。
あてはめ
最高裁判所への抗告期間は5日であるところ、本件において抗告の対象となった決定は昭和26年6月24日に送達されている。抗告状が提出されたのは同年7月2日であり、送達の日から起算して5日の抗告期間を明らかに経過している。したがって、本件抗告は期間徒過後に申し立てられた不適法なものであるといえる。
結論
本件抗告は抗告期間を経過した不適法な申立てであるため、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁判所に対する特別抗告や許可抗告の申立期間(現行法でも5日、民訴法336条2項等)の厳格性を確認する際、期間計算の基礎となる実務的な先例として機能する。
事件番号: 昭和26(ク)88 / 裁判年月日: 昭和26年9月7日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告申立ての期間は、民事訴訟法上の特別の定め(現行の許可抗告制度等に相当)に基づき、送達を受けた日から5日以内であると解される。 第1 事案の概要:東京高等裁判所が昭和26年4月27日に下した決定が、同年5月12日に抗告人へ送達された。抗告人は本件決定を不服として最高裁判所に対し…
事件番号: 昭和26(ク)93 / 裁判年月日: 昭和26年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は民事訴訟法419条の2(現330条)の特別抗告のみに限定され、その不変期間は送達から5日である。 第1 事案の概要:抗告人は、東京高等裁判所が昭和26年4月27日になした決定について、同年5月12日に決定の送達を受けた。その後、抗告人は同年5月21日に最高裁判所に対して抗告…
事件番号: 昭和26(ク)45 / 裁判年月日: 昭和26年6月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に抗告を申し立てる場合には、民事訴訟法第419条の2に基づき、送達を受けた日から5日以内に申し立てなければならず、これを超えた申し立ては不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、東京高等裁判所が昭和26年2月27日に行った決定に対し、最高裁判所への抗告を申し立てた。当該決定は…
事件番号: 昭和25(ク)136 / 裁判年月日: 昭和26年10月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法第419条の2(現行336条)に基づき、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られる。形式的に憲法違反を主張していても、実質的に単なる法令違反の主張にすぎない場合は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し最高裁判所へ抗告を申し…
事件番号: 昭和26(ク)176 / 裁判年月日: 昭和26年10月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に定めた場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法適合性に関する判断を不当とするもの(特別抗告)に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、民事事件の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由の内容は、原決定が憲法に違反…