判旨
口頭弁論終結後における弁論の再開の適否は、裁判所の職権による裁量に属し、再開しないことが直ちに違法となるものではない。
問題の所在(論点)
口頭弁論終結後、判決言渡しまでの間に当事者が弁論の再開を求めた(あるいは再開が必要な状況があった)場合において、裁判所が弁論を再開しなかったことが違法となるか。
規範
口頭弁論を終結した後に、申立て等に基づき弁論の再開をなすか否かは、裁判所の合理的な職権裁量に属する事項である。
重要事実
上告人は、原審が特定の年月日に弁論を終結し、その後の年月日に判決を言い渡した過程において、弁論の再開がなされなかったことを不服として上告した。
あてはめ
弁論の再開は裁判所の裁量に属する事柄であり、本件において原審が弁論を再開しなかったという事実は、直ちに裁判所の裁量権の逸脱または濫用として違法と評価されるものではない。
結論
弁論の再開をしないことは裁判所の裁量に属するため違法とはいえず、本件上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟法における口頭弁論の終結(152条参照)後の手続的裁量を認めたものである。司法試験においては、弁論終結後の新証拠提出や主張の追加を求める事案で、特段の事情がない限り裁判所に再開義務がないことを論証する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和31(オ)850 / 裁判年月日: 昭和32年5月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】一旦終結した口頭弁論を再開するか否かは、当該裁判所の自由裁量に属する事項である。したがって、当事者が主張するような特段の事情があったとしても、弁論を再開せずに判決を言い渡すことは違法ではない。 第1 事案の概要:上告人は、原審における口頭弁論終結の際、またはその前後の状況に鑑みれば、弁論を再開すべ…
事件番号: 昭和27(あ)2207 / 裁判年月日: 昭和32年2月7日 / 結論: 棄却
控訴審において、弁護人から示談弁償を理由として弁論再開申請があつたにかかわらず再開を許さなかつたことが、再開の請求を却下するという決定の形式によらなかつた違法があるとしても、それは形式だけの違法であつて、原判決に影響を及ぼさないこと明白である。