判旨
補助参加人は当事者を補助する従属的な地位にすぎないため、被参加人は、補助参加人が提起した控訴をいつでも取り下げることができる。
問題の所在(論点)
補助参加人が提起した控訴を、被参加人が自由に取り下げることができるか。補助参加人の訴訟行為の従属性と、被参加人の訴訟追行権の優先性が問題となる。
規範
補助参加人は単に当事者を補助するための従属的な地位を有するものにすぎないから、その訴訟行為は被参加人の訴訟行為と抵触してはならない(民事訴訟法45条2項、旧69条)。これに対し、被参加人は、補助参加人の訴訟行為と抵触するか否かを問わず、いつでも一切の訴訟行為をすることができる。
重要事実
補助参加人が被参加人のために控訴を提起したが、その後、被参加人が当該控訴を取り下げた。補助参加人は、被参加人による控訴取り下げは認められないとして争った。
あてはめ
補助参加人の地位はあくまで被参加人の勝訴を補助する従属的なものである。したがって、補助参加人の行為は被参加人の意思に反してまで維持されるべきものではない。本件において、補助参加人が行った控訴提起という訴訟行為に対し、被参加人が取り下げという相反する行為を行った場合、当事者である被参加人の意思が優先されるべきである。控訴の取り下げは、被参加人が自己の訴訟追行権に基づき自由に行いうる性質のものであり、補助参加人の行為と抵触する場合であってもその効力は妨げられない。
結論
被参加人は、補助参加人がした控訴を自由に取り下げることができる。上告棄却。
実務上の射程
補助参加人の独立性には限界があり、被参加人の訴訟行為が常に優先されることを示した。補助参加に関する基本原則である「従属性」を端的に説明する際に活用できる。共同訴訟的補助参加の場合には、民訴法46条により抵触行為が禁止されるため、本判決の射程は及ばない点に注意が必要である。
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