判旨
当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を認めた場合、裁判上の自白が成立し、その事実に拘束力が生じるため、特例法上の上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
口頭弁論において相手方の主張事実を認めた場合、その事実を争う主張が「法令の解釈に関する重要な主張」として上告理由になり得るか(裁判上の自白の効力)。
規範
当事者が口頭弁論において相手方の主張する事実を認めた場合、裁判上の自白としての効力が生じ、その事実は裁判の基礎とされる。この場合、当該事実に関する主張は「法令の解釈に関する重要な主張」には該当しない。
重要事実
上告人は、原審の口頭弁論において、被上告人が主張した事実を認めていた。その後、上告人は当該事実に関連して、民事上告事件の審判の特例に関する法律1条乃至3号等に該当するとして上告を提起した。
あてはめ
原審の口頭弁論調書によれば、上告人は被上告人が主張する事実を自ら認めている。このように、当事者間で争いのない事実は確定したものとして扱うべきであり、これを蒸し返して特例法に基づく上告理由を構成することは認められない。
結論
本件上告は特例法に定める上告理由に該当せず、また法令の解釈に関する重要な事項も含まないため、棄却される。
実務上の射程
裁判上の自白が成立した事実については、上告審においてもその拘束力が維持されることを示唆する。実務上は、弁論調書の記載内容が上告理由の有無を判断する決定的な証拠となる点を留意すべきである。
事件番号: 昭和36(オ)206 / 裁判年月日: 昭和38年6月25日 / 結論: 棄却
一、「振出を認める」ということは、約束手形の振出を構成する事実行為を認める趣旨に帰着 する。 二、別個に謝礼金の授受がなされているからといつて、交換手形として振り出した事実の認定をすることは経験則に違反しない。 三、懲憑事実の主張に対する判断を明示的に判示する必要はない。