判旨
本案訴訟について日本の裁判所に裁判権がない場合には、その訴訟に関与する裁判官に対する忌避の申立てについても同様に裁判権が及ばず、裁判長は命令をもって当該申立てを却下すべきである。
問題の所在(論点)
本案訴訟について裁判権が認められない場合、その訴訟の手続的派生事項である裁判官の忌避申立てについて、裁判所はどのように取り扱うべきか。
規範
本案訴訟について日本の裁判所に裁判権が認められない場合には、付随的な申立てである当該訴訟の担当裁判官に対する忌避の申立てについても、日本の裁判所は裁判権を有しない。このような場合、裁判所は実体的な審理をすることなく、申立書を直ちに却下すべきである。
重要事実
抗告人らは、団体等規正令等に基づき法務総裁が行った団体の指定および退去引渡命令の取消しを求めて東京地方裁判所に提訴した。これに伴い、忌避申立人らは当該訴訟に関与する裁判官の忌避を申し立てた。しかし、本案である法務総裁の処分取消請求については、当時の最高裁判例により日本の裁判所に裁判権がないことが確定していた。
あてはめ
本件における本案(団体等規正令に基づく処分の取消訴訟)は、最高裁判決の趣旨に照らし、日本の裁判所に裁判権がない。忌避の申立ては本案訴訟の適正な運用を担保するための付随的な手続であるから、本案自体に裁判権が及ばない以上、その関与裁判官に対する忌避申立てについても当然に裁判権は及ばない。したがって、第一審および第二審が忌避申立てを適法として扱ったのは誤りであり、裁判長は命令をもって申立書を却下すべきであったといえる。
結論
本案訴訟に裁判権がない以上、忌避の申立ても裁判権を欠き不適法である。したがって、原決定を取り消し、本件忌避申立書を却下する。
実務上の射程
事件番号: 昭和25(ク)78 / 裁判年月日: 昭和25年7月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】本案訴訟について日本の裁判所に裁判権がない場合、その裁判に関与する裁判官に対する忌避の申立てについても裁判権は認められず、裁判所は申立書を却下すべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、法務総裁が行った解散団体の財産管理等に関する指定の取消しを求めて東京地方裁判所に提訴し、あわせて当該訴訟に関与す…
裁判権の欠如という訴訟要件の不備が、本案のみならず忌避申立て等の付随的手続の適法性にも直接影響を及ぼすことを示した。民事訴訟法における訴訟要件一般の議論や、裁判権の限界が問題となる事案において、付随的申立ての適法性を否定する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和25(ク)50 / 裁判年月日: 昭和25年7月21日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】本案訴訟について日本の裁判所の裁判権が及ばない場合には、当該訴訟に関与する裁判官に対する忌避の申立てについても裁判権は及ばない。裁判所は、このような裁判権を欠く忌避申立てに対し、決定をもって申立書を却下すべきである。 第1 事案の概要:抗告人らは、法務総裁が団体等規正令に基づき行った指定の取消しを…
事件番号: 昭和25(ク)42 / 裁判年月日: 昭和25年6月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかの判断を不当とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人等が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性を指摘するものではなかった。…
事件番号: 昭和25(ク)106 / 裁判年月日: 昭和25年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、その抗告理由が、原決定における憲法適合性の判断の不当を指摘するもので…
事件番号: 昭和25(ク)45 / 裁判年月日: 昭和25年6月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が下した決定に対しては、民事訴訟法上の規定の有無にかかわらず、さらに抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所が下した決定に対し、旧民事訴訟法419条の2(現在の特別抗告等に相当する規定)を根拠として、さらに抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):最…