判旨
本案訴訟について日本の裁判所の裁判権が及ばない場合には、当該訴訟に関与する裁判官に対する忌避の申立てについても裁判権は及ばない。裁判所は、このような裁判権を欠く忌避申立てに対し、決定をもって申立書を却下すべきである。
問題の所在(論点)
本案訴訟について裁判権がない場合に、その訴訟の手続に関わる裁判官の忌避申立てについて裁判権が及ぶか、および裁判権を欠く場合の処理が問題となる。
規範
本案訴訟について裁判権が欠如している場合、その付随的申立てである裁判官の忌避についても、同様に裁判権が及ばない。したがって、裁判権のない訴訟に関する忌避申立ては不適法であり、裁判所は直ちに申立書を却下すべきである。
重要事実
抗告人らは、法務総裁が団体等規正令に基づき行った指定の取消しを求めて東京地方裁判所に提訴し、あわせて当該訴訟の裁判に関与する裁判官の忌避を申し立てた。しかし、当時の判例によれば、同令に基づく処分の取消訴訟について、日本の裁判所には裁判権が認められていなかった。
あてはめ
最高裁昭和25年(オ)第147号判決が示す通り、団体等規正令に基づく処分の取消を求める訴訟自体に日本の裁判権は及ばない。忌避申立ては本案訴訟に付随する手続であるから、本案に裁判権がない以上、これに関与する裁判官の忌避についても当然に裁判権がないといえる。よって、申立てを受けた裁判所は、本案の裁判権の欠如を理由として、直ちに申立書を却下するべきである。
結論
本案訴訟について裁判権がない以上、忌避の申立についても裁判権はなく、本件忌避申立書は却下されるべきである。
実務上の射程
本判決は、本案訴訟の裁判権の有無が、付随的な申立てである忌避申立ての適否に直結することを示している。答案作成上は、裁判権や管轄権の前提を欠く訴訟において、付随的申立てをどのように処理すべきかの構成要素として、本案との連動性を論じる際に活用できる。
事件番号: 昭和25(ク)78 / 裁判年月日: 昭和25年7月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】本案訴訟について日本の裁判所に裁判権がない場合、その裁判に関与する裁判官に対する忌避の申立てについても裁判権は認められず、裁判所は申立書を却下すべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、法務総裁が行った解散団体の財産管理等に関する指定の取消しを求めて東京地方裁判所に提訴し、あわせて当該訴訟に関与す…
事件番号: 昭和25(ク)66 / 裁判年月日: 昭和25年7月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】本案訴訟について日本の裁判所に裁判権がない場合には、その訴訟に関与する裁判官に対する忌避の申立てについても同様に裁判権が及ばず、裁判長は命令をもって当該申立てを却下すべきである。 第1 事案の概要:抗告人らは、団体等規正令等に基づき法務総裁が行った団体の指定および退去引渡命令の取消しを求めて東京地…
事件番号: 昭和25(ク)42 / 裁判年月日: 昭和25年6月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかの判断を不当とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人等が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性を指摘するものではなかった。…
事件番号: 昭和25(ク)106 / 裁判年月日: 昭和25年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、その抗告理由が、原決定における憲法適合性の判断の不当を指摘するもので…
事件番号: 昭和25(ク)45 / 裁判年月日: 昭和25年6月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が下した決定に対しては、民事訴訟法上の規定の有無にかかわらず、さらに抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所が下した決定に対し、旧民事訴訟法419条の2(現在の特別抗告等に相当する規定)を根拠として、さらに抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):最…