判旨
最高裁判所に対する抗告は、原決定に憲法違反がある場合に限り許容される。単なる手続法規の違反を主張するにすぎない場合は、違憲の主張とは認められず不適法として却下される。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告の適法要件、特に「憲法違背」の主張として認められるための要件が問題となる。
規範
最高裁判所に対する抗告の申立ては、原決定に憲法違反があることを理由とする場合に限定される。実質において単なる法令違反や手続違背を主張するにとどまり、具体的かつ実質的な憲法違反の指摘を欠く場合は、適法な抗告理由とならない。
重要事実
抗告人が原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人は抗告理由を記載した別紙を提出したが、その内容は原決定が手続法規に違反してなされた旨を主張するものであった。
あてはめ
本件抗告理由は、その実質において原決定が手続法規に違反したことを主張するにとどまっている。これは単なる法律上の不服申し立てであり、原決定が憲法の条項にどのように抵触するかを具体的に示す「違憲の主張」をなすものとは認め難い。したがって、最高裁判所に対する抗告の限定的な許容範囲を逸脱していると評価される。
結論
本件抗告は不適法であり、却下される。
実務上の射程
最高裁への特別抗告や再抗告において、実質的に単なる法令違反を憲法違反と強弁しても、具体的根拠を欠けば門前払いされることを示す。実務上は、憲法違反の主張が実質を伴うものであるか否かの形式的審査基準として機能する。
事件番号: 昭和25(ク)24 / 裁判年月日: 昭和25年6月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定が憲法に違反することを理由とする場合に限り許される。実質的に手続法規の違反を主張するに留まる場合は、違憲の主張とは認められず、抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人は、原決定の手続上の瑕疵を理…
事件番号: 昭和25(ク)20 / 裁判年月日: 昭和25年6月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】人身保護法11条1項の決定に対する抗告は、民事訴訟の例に従い、憲法違反を理由とする場合に限り最高裁判所への抗告が認められる。 第1 事案の概要:札幌高等裁判所は、昭和25年2月20日に人身保護法11条に基づき、人身保護の請求を棄却する決定を下した。これに対し、抗告人が最高裁判所へ抗告を申し立てた事…
事件番号: 昭和25(ク)124 / 裁判年月日: 昭和25年12月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】人身保護法上の救済請求に関する最高裁判所への抗告は、人身保護規則46条により民事訴訟の例に従う。最高裁への抗告は憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる原決定の事実誤認や手続違憲以外の法令違反を主張するものは不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、人身保護法に基づき勾留の解除を…
事件番号: 昭和47(ク)116 / 裁判年月日: 昭和47年6月22日 / 結論: 却下
人身保護法による釈放の請求を排斥した決定に対しては、憲法違反を理由とするときにかぎり、最高裁判所に抗告の申立をすることができる。
事件番号: 昭和24(ク)2 / 裁判年月日: 昭和24年2月7日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることが許された場合に限り認められ、それに該当しない抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、長崎地方裁判所が人身保護請求事件について下した決定に対し、不服を申し立てる趣旨の書面(上告状と題する書面)を最高裁判所に提出した。裁…