判旨
人身保護法11条1項の決定に対する抗告は、民事訴訟の例に従い、憲法違反を理由とする場合に限り最高裁判所への抗告が認められる。
問題の所在(論点)
人身保護法11条1項の棄却決定に対する最高裁判所への抗告が認められるための要件、およびその不服申立理由の範囲が問題となる。
規範
人身保護規則46条に基づき、人身保護法による救済請求の手続には、その性質に反しない限り民事訴訟の例が準用される。同法11条1項の決定に対する抗告については特別の定めがないため、民事訴訟法の規定に従い、最高裁判所への抗告は、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限定される(旧民訴法419条の2参照)。
重要事実
札幌高等裁判所は、昭和25年2月20日に人身保護法11条に基づき、人身保護の請求を棄却する決定を下した。これに対し、抗告人が最高裁判所へ抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
本件抗告において、抗告人が主張する抗告理由は、原決定における法律・命令・規則・処分の憲法適合性に関する判断の不当を指摘するものではない。したがって、民事訴訟法の例に照らせば、適法な抗告理由を備えていないといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、却下される。
実務上の射程
人身保護手続の性質上、迅速な救済が求められるものの、不服申立に関しては民事訴訟の準用により上訴制限が課されることを示した。答案上は、特別法に規定がない手続的事項について、人身保護規則46条を根拠に民訴法の規定を引く際の論拠となる。
事件番号: 昭和25(ク)24 / 裁判年月日: 昭和25年6月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定が憲法に違反することを理由とする場合に限り許される。実質的に手続法規の違反を主張するに留まる場合は、違憲の主張とは認められず、抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人は、原決定の手続上の瑕疵を理…
事件番号: 昭和25(ク)33 / 裁判年月日: 昭和25年6月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定に憲法違反がある場合に限り許容される。単なる手続法規の違反を主張するにすぎない場合は、違憲の主張とは認められず不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人は抗告理由を記載した別紙を提出したが、その内容は原…
事件番号: 昭和25(ク)124 / 裁判年月日: 昭和25年12月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】人身保護法上の救済請求に関する最高裁判所への抗告は、人身保護規則46条により民事訴訟の例に従う。最高裁への抗告は憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる原決定の事実誤認や手続違憲以外の法令違反を主張するものは不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、人身保護法に基づき勾留の解除を…
事件番号: 昭和47(ク)116 / 裁判年月日: 昭和47年6月22日 / 結論: 却下
人身保護法による釈放の請求を排斥した決定に対しては、憲法違反を理由とするときにかぎり、最高裁判所に抗告の申立をすることができる。
事件番号: 昭和25(ク)54 / 裁判年月日: 昭和25年7月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】人身保護法による救済を求める利益は、身体の自由が回復された場合には失われるため、保釈により釈放された者は救済の利益を欠く。 第1 事案の概要:抗告人は身体を拘束されていたが、昭和25年5月31日になされた保釈決定に基づき、同日釈放された。これにより、抗告人は身体の自由を回復した。その後、人身保護法…