判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることが許された場合に限り認められ、それに該当しない抗告は不適法である。
問題の所在(論点)
地方裁判所が人身保護請求事件において行った決定に対し、最高裁判所へ直接抗告を申し立てることが認められるか。最高裁判所に対する抗告の許容範囲が問題となる。
規範
最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法(当時の419条の2等)などの訴訟法において、特に最高裁判所に対して申し立てることが明文で許容されている場合を除き、提起することができない。
重要事実
抗告人は、長崎地方裁判所が人身保護請求事件について下した決定に対し、不服を申し立てる趣旨の書面(上告状と題する書面)を最高裁判所に提出した。裁判所はこれを抗告の申立てと解釈した上で、その適法性を審査した。
あてはめ
本件抗告について記録を精査したところ、当時の民事訴訟法等の諸規定において最高裁判所への抗告が特に許容されている場合のいずれにも該当しない。したがって、法令上の根拠を欠く不服申立てといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、却下される。
実務上の射程
最高裁への直告(特別抗告等を除く)の限定性を確認する。人身保護法上の手続であっても、民事訴訟に関する一般原則が妥当し、明文の根拠なき上訴は認められないことを示す。答案上は、不服申立ての適法性を論じる際の消極的根拠として引用し得る。
事件番号: 昭和25(ク)124 / 裁判年月日: 昭和25年12月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】人身保護法上の救済請求に関する最高裁判所への抗告は、人身保護規則46条により民事訴訟の例に従う。最高裁への抗告は憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる原決定の事実誤認や手続違憲以外の法令違反を主張するものは不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、人身保護法に基づき勾留の解除を…
事件番号: 昭和25(ク)24 / 裁判年月日: 昭和25年6月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定が憲法に違反することを理由とする場合に限り許される。実質的に手続法規の違反を主張するに留まる場合は、違憲の主張とは認められず、抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人は、原決定の手続上の瑕疵を理…
事件番号: 昭和24(ク)75 / 裁判年月日: 昭和26年2月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上の特別抗告(憲法違反等を理由とするもの)に限られ、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定において法律・命令・規則又は処分が憲法に適合するか否かにつ…
事件番号: 昭和25(ク)33 / 裁判年月日: 昭和25年6月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定に憲法違反がある場合に限り許容される。単なる手続法規の違反を主張するにすぎない場合は、違憲の主張とは認められず不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人は抗告理由を記載した別紙を提出したが、その内容は原…
事件番号: 昭和24(ク)10 / 裁判年月日: 昭和24年3月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合を除いてはすることができず、憲法判断の不当を理由としないものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対し抗告を申し立てた事案。抗告申立書の内容を精査したところ、原決定における憲法上の判断が不当であること…