判旨
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告申し立てが許容されている場合に限定される。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告が適法と認められるための要件、すなわち最高裁判所の抗告裁判権の範囲が問題となる。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権を行使できるのは、訴訟法上の特別の規定により、最高裁判所に対して抗告を申し立てることが明示的に許容されている場合に限られる。民事事件においては、旧民事訴訟法419条の2(現行民事訴訟法336条及び337条に相当)に定める抗告のみがこれに該当する。
重要事実
抗告人等が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、当該抗告が法律上最高裁判所に認められた特定の抗告(旧民事訴訟法419条の2等)に該当するかどうかが争点となった。
あてはめ
本件における抗告は、旧民事訴訟法419条の2(特別抗告等)に定められた要件を満たしておらず、訴訟法上特に最高裁判所への申し立てを許容したケースに該当しない。したがって、最高裁判所には本件を審理する裁判権がないものと判断される。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁判所に対する直接の抗告(特別抗告や許可抗告)は法定の事由がある場合に厳格に限定されるという原則を確認するものである。実務上は、憲法違反や判例違反など、法が定める特定の不服申立事由がない限り、最高裁への抗告は門前払いされることを意味する。
事件番号: 昭和22(ク)5 / 裁判年月日: 昭和22年12月10日 / 結論: 却下
抗告は、民訴応急措置法第七条又は刑訴応急措置法第一八条に定める抗告のように、訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることを許したものを除いては、最高裁判所に、これを申し立てることができない。
事件番号: 昭和23(ク)1 / 裁判年月日: 昭和23年2月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】裁判所法7条にいう「訴訟法において特に定める抗告」とは、憲法適合性判断の不当を理由とする抗告など、最高裁判所の権限に属するものと個別に定められた抗告に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、下級裁判所の決定又は命令に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。本件抗告の内容は、当時の民事・刑事訴訟法…
事件番号: 昭和29(ク)50 / 裁判年月日: 昭和29年3月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に最高裁判所への抗告を許容した場合に限られる。民事事件における特別抗告は、原決定における憲法適合性の判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定に…
事件番号: 昭和26(ク)43 / 裁判年月日: 昭和26年5月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事訴訟法(旧法)において特に許容された場合に限定される。したがって、最高裁判所に対する抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性を主張するものに限られ、それ以外の事由を理由とする抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対し、最高…
事件番号: 昭和25(ク)148 / 裁判年月日: 昭和25年12月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律により特に許された場合に限られ、その抗告理由は憲法適合性に関する判断の不当をいうものに限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案である。しかし、当該抗告理由の内容は、原決定における憲法適合…