判旨
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事事件においては憲法違反の判断を不当とする特別抗告(民訴法旧419条の2、現336条)に限定され、再抗告の規定(同旧413条、現330条)は適用されない。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告(特別抗告)の適法要件、および最高裁判所に対する抗告申し立てについて、法律違反を理由とする再抗告の規定(旧民訴法413条)が適用されるか否か。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権を持つのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告申し立てを許容した場合に限られる。民事事件については、憲法違反を理由とする抗告のみがこれに該当し、法律違反等を理由とする通常の再抗告に関する規定は最高裁判所に対する抗告申し立てには適用されない。
重要事実
抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人は、旧民事訴訟法413条(現在の330条に相当する再抗告の規定)の適用を前提として抗告理由を主張したが、その内容は原決定における憲法判断の不当をいうものではなかった。
あてはめ
最高裁判所への抗告は、旧民訴法419条の2(現在の特別抗告)に基づき、原決定における憲法適合性の判断が不当であることを理由としなければならない。本件抗告理由は、抗告理由書自体の記載から見て憲法違反を主張するものではない。また、最高裁判所に対する抗告については、特別の定めがない限り法律違反を理由とする再抗告の規定は適用されないため、本件抗告は適法な抗告理由を欠くといえる。
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁判所への直接の抗告(特別抗告)において、憲法違反以外の事由(単なる法令違背等)を理由にすることはできないという実務上の大原則を示すものである。答案上は、不服申立ての可否を論じる際、特別抗告の限定的な性格(憲法問題への限定)を説明する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和25(ク)153 / 裁判年月日: 昭和25年12月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告裁判権を有するのは特別抗告(旧民訴法419条の2)に限られ、それ以外の事由による抗告は認められない。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級裁判所の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告理由が憲法適合性の判断に関するものかどうかが問題となったが、記録上、旧民訴法4…
事件番号: 昭和25(ク)51 / 裁判年月日: 昭和25年8月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特別の定めがある場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断を不当とする特別抗告のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。当時の民事訴訟法419条の2に基づき、原決定に憲法適合性に関する判…
事件番号: 昭和25(ク)87 / 裁判年月日: 昭和25年9月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、法律により特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告理由には、原決定における憲法適合性に関する判断の不当を主張する内容は含まれてい…
事件番号: 昭和25(ク)82 / 裁判年月日: 昭和25年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする特別抗告のみがこれに当たる。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所に対し、民事事件に関する抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定における憲法適合性の判断…
事件番号: 昭和25(ク)137 / 裁判年月日: 昭和25年12月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告裁判権を有するのは、法律により特に許容された場合に限られ、旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)に定める憲法判断を含む抗告のみが適法な抗告理由となる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して民事事件の抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定におい…