判旨
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告が許容されている場合に限定される。
問題の所在(論点)
最高裁判所が民事事件における抗告について裁判権を有するための要件、および適法な抗告として受理されるための範囲が問題となる。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に最高裁判所に対して抗告を申し立てることを許容している場合に限られる。民事事件においては、民事訴訟法(当時)419条の2に規定されている抗告のみがこれに該当する。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、当該抗告は民事訴訟法(当時)419条の2に定める「特に最高裁判所への抗告が許容される場合」に該当するものではなかった。
あてはめ
本件抗告について抗告理由を検討すると、民事訴訟法(当時)419条の2が規定する、最高裁判所に直接抗告を申し立てることができる特定の事由には当たらないことが明らかである。したがって、本件は最高裁判所が裁判権を行使できる適法な抗告の範囲を逸脱していると判断される。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁判所への特別抗告や許可抗告以外の抗告(通常の抗告等)がなされた場合の不適法却下の根拠として機能する。民事訴訟法330条等の現行規定下においても、抗告裁判所としての最高裁判所の管轄権の限定性を説明する際の基本判例となる。
事件番号: 昭和24(ク)85 / 裁判年月日: 昭和25年3月14日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に認められた場合に限定され、民事事件においては憲法違反の判断を不当とする特別抗告のみが許容される。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、憲法違反に関する判断を不当とするも…
事件番号: 昭和24(ク)41 / 裁判年月日: 昭和24年7月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に最高裁判所への申し立てが許容されている場合を除き、提起することができない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件において、抗告人は当時の民事訴訟法419条の2(民訴応急措置法7条)などの特別の規定に基づかずに、最高裁判所への抗…
事件番号: 昭和25(ク)139 / 裁判年月日: 昭和26年4月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に申立てが許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする特別抗告のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対し抗告を申し立てた事案である。本件において抗告人は、旧民事訴訟法413条の規定が最高…
事件番号: 昭和31(ク)74 / 裁判年月日: 昭和31年4月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、民事訴訟法(当時)419条の2に規定される特別抗告の要件を満たす場合に限られる。形式的に違憲を主張しても、その実質が単なる手続規定の違背を主張するものである場合には、適法な特別抗告として認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、原審の決定に対…
事件番号: 昭和25(ク)16 / 裁判年月日: 昭和25年11月13日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民事訴訟法419条の2(現行336条)所定の特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人は最高裁判所に対し抗告を申し立てたが、その抗告理由が憲法適合性に関する判断の不当性を主張するものではなか…