判旨
上告理由の記載のない上告状が提出された場合において、訴訟記録受領通知を受けた日から30日以内に上告理由書を提出しないときは、上告は却下される。
問題の所在(論点)
上告状に上告理由の記載がなく、かつ法定の期間内に上告理由書が提出されない場合、当該上告の適法性はどのように判断されるか(民事訴訟法319条等の適用)。
規範
上告状に上告理由の記載がない場合、上告人は、裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けた日から30日以内に上告理由書を提出しなければならない(民事訴訟法314条2項、315条)。この期間内に提出がないときは、裁判所は判決で上告を却下しなければならない(同法319条)。
重要事実
上告人は上告状を提出したが、これに上告理由の記載がなかった。昭和25年12月17日、上告人は裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けた。しかし、上告人は法定の30日以内に上告理由書を提出せず、期間経過後の昭和26年1月17日(判決文上は「昭和25年1月17日」とあるが文脈上誤記と推認される)に初めて書面を提出した。
あてはめ
上告人が訴訟記録受領の通知を受けた日は記録上明白であり、提出期限は通知から30日以内である。本件では、上告人は期限内に上告理由書を提出しておらず、期限経過後に書面を提出したにすぎない。したがって、適法な期間内における理由の提示がないといえる。
結論
上告を却下する。法定の期間内に上告理由書が提出されなかったため、不適法な上告として判決により却下を免れない。
実務上の射程
本判決は、上告理由書の提出期限という不変期間の厳格な遵守を求めたものである。実務上、上告状に具体的理由を記載しない場合は、記録受領通知の到達日を正確に把握し、30日の期間を徒過しないよう厳格に管理する必要がある。
事件番号: 昭和25(オ)282 / 裁判年月日: 昭和26年1月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告人が訴訟記録受領の通知を受けた日から30日以内に上告理由書を提出しない場合、民事訴訟法の規定に基づき、上告は却下される。 第1 事案の概要:上告人は上告状を提出したが、これに上告理由の記載がなかった。上告人は、昭和25年9月27日に裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けたが、その日から起算し…
事件番号: 昭和25(オ)333 / 裁判年月日: 昭和26年2月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告人が上告理由書を提出すべき法定期間内にこれを提出しないときは、上告裁判所は判決をもって上告を却下しなければならない。 第1 事案の概要:上告人は、昭和25年10月11日に最高裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けた。しかし、上告状には上告理由の記載がなく、かつ、当該通知を受けた日から30日以…