判旨
上告状に上告理由の記載がなく、かつ法定期間内に上告理由書が提出されない場合には、上告を却下すべきである。民事訴訟法(旧法)に基づき、訴訟記録受領通知から30日以内の提出義務を懈怠した際の手続的効果を示した。
問題の所在(論点)
上告状に上告理由の記載がない場合において、法定の提出期間を過ぎて上告理由書が提出された際、上告を適法として受理できるか、あるいは却下すべきか。
規範
上告状に上告理由の記載がない場合、上告人は裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けた日から法定期間(30日)以内に上告理由書を提出しなければならない。この期間内に提出がないときは、裁判所は判決で上告を却下しなければならない。
重要事実
上告人は上告状に上告理由を記載していなかった。昭和25年12月12日に裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けたが、上告理由書が裁判所に到達したのは法定期間である30日を経過した後の昭和26年1月12日であった。
あてはめ
本件において、上告人が訴訟記録受領の通知を受けた事実は郵便送達報告書により明白であり、起算日は昭和25年12月12日である。これに対し、上告理由書の到達は昭和26年1月12日であり、30日の提出期間を徒過している。期間徒過後に提出された書面は有効な上告理由書とは認められず、提出がないものと同視される。
結論
法定期間内に上告理由書が提出されなかったため、民事訴訟法(旧法)の規定に従い、本件上告を却下する。
実務上の射程
上告審における不服申立ての形式的要件を厳格に解する実務上の運用を裏付けるものである。現行民事訴訟法315条及び316条1項2号(または民事訴訟規則194条)における上告却下事由の解釈の基礎となる。期間徒過後の提出は、特段の事情がない限り救済されないという実務上の厳格な期間管理の重要性を示している。
事件番号: 昭和25(オ)282 / 裁判年月日: 昭和26年1月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告人が訴訟記録受領の通知を受けた日から30日以内に上告理由書を提出しない場合、民事訴訟法の規定に基づき、上告は却下される。 第1 事案の概要:上告人は上告状を提出したが、これに上告理由の記載がなかった。上告人は、昭和25年9月27日に裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けたが、その日から起算し…
事件番号: 昭和25(オ)333 / 裁判年月日: 昭和26年2月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告人が上告理由書を提出すべき法定期間内にこれを提出しないときは、上告裁判所は判決をもって上告を却下しなければならない。 第1 事案の概要:上告人は、昭和25年10月11日に最高裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けた。しかし、上告状には上告理由の記載がなく、かつ、当該通知を受けた日から30日以…