判旨
口頭弁論調書の記載が不正確であるとの主張に対し、記録上そのような瑕疵が認められない場合には、上告理由としての適法性を欠く。また、民事上告事件の特例法に定める重要な主張を含まない論旨については、調査を要しない。
問題の所在(論点)
原審の口頭弁論調書の作成手続に重大な違法があるといえるか。また、上告人の主張が「最高裁判所における民事上告事件の特例に関する法律」にいう「法令の解釈に関する重要な事項」を含むものとして調査の対象となるか。
規範
民事訴訟における上告審において、原審の口頭弁論調書に重大な記載の齟齬や署名押印の欠缺等の手続的違法が認められない限り、それらを前提とした不服申立ては理由がない。また、上告特例法にいう「法令の解釈に関する重要な事項」に該当しない主張については、裁判所は具体的な調査を行う義務を負わない。
重要事実
上告人は、原審の口頭弁論調書において期日の記載に齟齬があり、出頭者の資格に誤記があるほか、裁判長の署名が欠けているなどの手続的瑕疵があることを理由に上告を申し立てた。また、実体法上の論点についても上告理由として主張していた。
あてはめ
記録を確認したところ、上告人が主張するような期日の齟齬、出頭者の資格の誤記、および裁判長の署名の欠缺はいずれも認められなかった。したがって、手続上の違法があるとの主張は前提を欠く。さらに、実体法に関する主張(論旨第四点)についても、特例法が定める上告受理の条件や重要な主張のいずれにも該当しないと判断される。
結論
本件上告には理由がないため、棄却を免れない。手続的な形式不備も認められず、法的に重要な論点も含まれていない。
実務上の射程
口頭弁論調書の内容を争う場合には、単なる主張にとどまらず、記録上の客観的な不備を具体的に特定する必要があることを示している。また、実務上、上告特例法による門前払いの基準を確認する趣旨で参照される。
事件番号: 昭和26(オ)700 / 裁判年月日: 昭和27年3月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴の適否に関する原審の判断に違法はなく、また、原判決に理由不備(主張に対する判断遺脱)の具体的指摘がない場合は、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人(控訴人)が原審の控訴の適否に関する判断を不服とし、また、原判決に主張に対する判断漏れがあるとして上告を申し立てた事案。なお、判決文か…