判旨
上告理由が原審の証拠取捨や事実認定の当否を争うものである場合、それは原審の職権に属する事項を論難するものであり、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
民事訴訟法上の適法な上告事由の存否。特に、原審の事実認定の当否を争うことが上告理由として認められるか。
規範
上告審において、原審の証拠の取捨選択、証拠の評価、および事実の認定については、原審がその職権の範囲内において適法に行ったものである限り、これを論難することは適法な上告理由とはならない。
重要事実
上告人は、原判決における証拠の取捨、判断および事実の認定に不服があるとして上告を申し立てたが、具体的な憲法違反や判例違反等の適法な上告事由は示されなかった(詳細は判決文からは不明)。
あてはめ
上告人の主張(論旨第一および第二)は、いずれも原審の職権に属する適法な証拠取捨や事実認定を批判するにとどまる。このような主張は、法律審である上告審において憲法違反等の重大な事由を争うものではないため、民事訴訟法(当時の401条等)に照らして不適法である。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
民事訴訟の実務において、事実認定の誤りを主張したい場合は、控訴審で尽くすべきであり、上告審では原則として憲法違反や重大な手続違反等に限定される。事実認定に関する不服は、形式的に上告理由の体裁を整えない限り、上告棄却の対象となる。
事件番号: 昭和25(オ)16 / 裁判年月日: 昭和25年10月24日 / 結論: 棄却
戦時補償特別税の納税義務者が何人であつても、戦時補償特別措置法第一四条の申告書が、何人からも提出されなかつた場合に、銀行が、特殊預金の全額について戦時補償特別税を徴収し、国に納付しても、国が不当に利得したものとはいえない。