判旨
上告適法の理由とならない上告理由は棄却されるべきであり、原審が適法に行った証拠の取捨選択および事実認定を非難するにとどまる主張は採用できない。
問題の所在(論点)
事実認定の妥当性や証拠の取捨選択を争うことが、民事訴訟法上の適法な上告理由(判決文作成当時の第401条等)に該当するか。
規範
上告審において適法な上告理由となるためには、憲法違反や重大な訴訟手続の違背等が認められる必要がある。単に原審(控訴審)が行った証拠の取捨選択や、それに基づく事実認定を争うことは、法的な上告理由を構成しない。
重要事実
上告人は、原審の認定した事実を不服として上告を提起した。上告人は別紙記載(判決文からは詳細不明)の上告理由を提示し、原審が挙示した証拠による事実認定の誤りを主張した。
あてはめ
原審が挙示した証拠によれば、原審の認定した事実は認められないことはない。上告人の主張は、結局のところ、原審が適法に行った証拠の取捨選択や事実認定を非難することに帰着する。このような主張は、上告理由として法律上規定された事由にはあたらない。
結論
本件上告は棄却される。上告費用は上告人の負担とする。
実務上の射程
事実誤認を主張するだけでは上告理由として不適法であることを示す裁判例である。答案上は、上告審の審理範囲や上告理由の制限について触れる際に、事実認定の是非は原則として上告審の対象外であることの根拠として利用できる。
事件番号: 昭和25(オ)322 / 裁判年月日: 昭和26年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告において、原判決の証拠の取捨選択又は事実認定を非難するにすぎない主張は、上告審での調査を要する事項に当たらないとして棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が行った証拠の取捨選択や事実の認定が不当であると主張して上告を提起したが、憲法違反等の具体的な法的瑕疵については提示しなかった…
事件番号: 昭和25(オ)385 / 裁判年月日: 昭和26年7月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」所定の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が、原審の判決を不服として最高裁判所に上告を提起した事案。判決文からは具体的な事件の内容(原告・被告の主張や係争物等…
事件番号: 昭和25(オ)73 / 裁判年月日: 昭和25年10月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴願期間の経過に関し、旧訴願法8条3項にいう「宥恕スベキ事由」の有無の判断は、行政庁の自由裁量に属するものではなく、裁判所が審理判断し得る事項である。 第1 事案の概要:上告人は、農地買収計画に対して異議および訴願を経た後に出訴したが、原審はその訴願が期間経過後になされた不適法なものであると判断し…
事件番号: 昭和26(オ)55 / 裁判年月日: 昭和26年9月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した上告に対し、最高裁判所がその上告理由を検討したところ、当時の民事上告特例法に定められた上告受理の要件を満たしているか、…