自白の取消のあつた場合において、自白した事実が事実に合致しないことの証明がある以上、その証明は錯誤に出たものと認めて差支えがない。
自白の取消と錯誤
民訴法257条。
判旨
最初の口頭弁論期日の変更は、当事者の合意がない限り「顕著な事由」がないと許されず、第一審からの代理人が準備不足を理由に申請してもこれに当たらない。また、控訴状の印紙不足が後に補正された場合、それまでになされた期日指定等の訴訟手続は有効となる。
問題の所在(論点)
(1)第一審からの代理人が「準備不足」を理由に最初の手続期日の変更を求めることは、民事訴訟法上の「顕著な事由」に該当するか。(2)印紙不足の控訴状に基づき行われた期日指定等の訴訟手続は、後の補正によって有効となるか。
規範
最初の口頭弁論期日の変更については、当事者の合意がある場合を除き、顕著な事由が存しない限り、裁判所はこれを許容すべきではない。また、控訴状に貼付すべき印紙が不足している瑕疵がある場合でも、後に適法に補正がなされたときは、その瑕疵は遡及的に治癒され、補正前になされた期日の指定及び告知等の訴訟手続は有効となる。
重要事実
上告人の代理人は、原審(控訴審)の最初の弁論期日において期日の変更を申請した。その理由は、期日の前日に訴訟委任を受けたため準備ができないというものであった。しかし、当該代理人は第一審からの訴訟代理人でもあった。相手方の同意は得られず、裁判所は期日変更を認めずに結審した。また、控訴状には印紙が不足していたが、結審後に補正命令が出され、上告人が印紙を増貼して瑕疵は補正された。上告人は、期日変更を認めなかったことの不当性と、印紙不足の状態で行われた手続の無効を主張して上告した。
あてはめ
(1)上告代理人は本件第一審の訴訟代理人でもあり、前日に委任を受けたとしても「準備ができない」ことは正当な理由にならない。したがって、相手方の同意がない以上「顕著な事由」があるとは認められず、期日変更を許さず結審した原審の措置は適法である。(2)控訴状の印紙不足については、その後に補正命令に従って印紙が適法に増貼されたことで瑕疵は補正されている。瑕疵が補正された以上、それまでの間に為された弁論期日や判決言渡期日の指定及びその告知を無効と解する必要はなく、これらは有効である。
結論
最初の期日変更を認めなかった原審の判断は適法であり、また印紙の追完によってそれまでの手続も有効となるため、上告を棄却する。
実務上の射程
司法試験において、訴訟遅延防止の観点から期日変更が厳格に制限されていること(民訴法93条3項参照)を示す判例として重要である。特に「第一審からの代理人による準備不足」が顕著な事由(正当な理由)にならない点は、答案上も考慮すべき事実評価の指標となる。また、印紙欠缺等の形式的瑕疵の追完による手続の有効性についても、手続の安定性の観点から活用できる。
事件番号: 昭和43(オ)501 / 裁判年月日: 昭和43年11月15日 / 結論: 棄却
第二回口頭弁論期日の期日変更の申請について、同一の日に他の事件の期日の指定があつたことを理由とする場合には、本件の右期日指定前に右他の事件の期日指定があつたことを理由とし、かつ、その旨を明らかにする資料等を提出することを要する。