判旨
口頭弁論期日の指定は必ずしも書面で行うことを要せず、裁判官の記名押印等により当該裁判官の意思に基づきなされたことが認められれば適法である。
問題の所在(論点)
口頭弁論期日の指定において、裁判官の署名や書類間の契印といった形式的な書面作成が要件とされるか。
規範
口頭弁論期日指定の命令は、法律上必ずしも書面によることを要しない。したがって、裁判官の署名や契印の欠如といった形式的不備があったとしても、当該書類の記載内容や印影から、裁判官によって適法に期日指定がなされたと認められる限り、その手続が直ちに違法となるものではない。
重要事実
上告人は、第一審の記録における弁論再開決定書(74丁)と期日指定に関する書面(75丁)との間に契印がないこと、および後者の書面に裁判官の署名がないことを理由に、訴訟手続の違法を主張した。記録上、75丁の書面には裁判官名の下に弁論再開決定書と同一の印影が存在していた。
あてはめ
本件では、問題となった2つの書面は別個独立の書類であるため、契印がないことは当然である。また、期日指定の書面には弁論再開決定を行った裁判官と同一の印影があり、同裁判官によって期日指定がなされたことが十分に認められる。期日指定は必ずしも書面による必要がないため、署名の欠如等の形式的不備は違法を構成しない。さらに、これらは第一審の手続に関する事項であり、原判決の違法を基礎付ける事由にはならない。
結論
口頭弁論期日の指定は書面を要しないため、裁判官の意思に基づきなされたことが確認できる以上、手続は適法である。
実務上の射程
訴訟手続の形式的瑕疵が判決の妥当性に影響するかという文脈で、期日指定命令の性質を論じる際に活用できる。手続の安定性や実質的適法性を重視する判断枠組みとして参考になる。
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