判旨
行政裁判所から移行した事件の参加申出却下に対する上告は、昭和23年法律149号附則6条2項及び旧民訴法409条の2に基づき、憲法違反を理由とする場合に限られる。単なる法令違反の主張にとどまり、実質的な憲法違反の主張を含まない上告は不適法として却下される。
問題の所在(論点)
裁判所法施行法等により承継された行政事件の裁判に対し、最高裁判所へ上告するための要件、および憲法条文を引用しつつも実質的に法令違反を主張するにすぎない上告理由が「憲法違反を理由とする上告」として適法か。
規範
行政裁判所から裁判所法施行法に基づき通常裁判所に承継された事件について、裁判所法施行令4条2項等の規定によりなされた裁判に対する上告は、憲法違反を理由とする場合に限定される(昭和23年法律149号附則6条2項、旧民事訴訟法409条の2)。単に判決の不当や法令違反を攻撃するに止まり、具体的な憲法違反を基礎付ける主張を欠く場合は、上告の適法性を欠く。
重要事実
上告人は、旧行政裁判所に係属し、裁判所法施行後に東京高等裁判所へ承継された「石炭試掘願に対する不法処分取消並許可請求事件」について、当事者として訴訟参加を申し出た。しかし、原裁判所(東京高裁)はこの参加申出を却下した。上告人はこれを不服として最高裁判所に上告したが、上告理由書には「憲法にいう法令に忠実な裁判であるかどうか疑問で遺憾である」といった趣旨の記載はあるものの、実質的には原判決の違法を指摘するにとどまっていた。
あてはめ
本件事件は、裁判所法施行に伴い行政裁判所から移行したものであり、その裁判に対する上告は憲法違反を理由とする場合に限られる。上告人は理由中で憲法76条3項を引用し、裁判官の良心や法令遵守義務に言及しているが、その内容は原判決の違法性を攻撃する点に帰着しており、特段の憲法違反を具体的に主張するものとは認められない。したがって、本件上告は法定の上告理由を備えていないといえる。
結論
本件上告は不適法であるため、却下される。
事件番号: 昭和24(オ)173 / 裁判年月日: 昭和24年10月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】旧行政裁判所の判決に対する再審の訴えについて、東京高等裁判所が下した終局判決に対し最高裁判所へ上告するには、憲法判断の不当を理由とする場合に限られる。単なる法令解釈の誤りや抽象的な憲法の趣旨の言及のみでは、上告の適法な理由として認められない。 第1 事案の概要:上告人は、昭和19年の旧行政裁判所に…
実務上の射程
新憲法施行直後の旧行政裁判所からの承継事件に関する特例的な判断である。現代の司法試験においては、行政事件訴訟法下の裁判に対する上告理由(民訴法312条1項、2項)や上告受理申立て(同条3項)の制限と対比し、上告理由の厳格な審査という文脈で理解されるべき事案である。
事件番号: 昭和26(ク)152 / 裁判年月日: 昭和26年10月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法(当時)419条の2に基づき、原決定における憲法解釈の不当を理由とする場合に限られ、単なる訴訟法規違背を主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人は、抗告理由の中で「憲法上無効」という文言を用いてはいた…
事件番号: 昭和26(ク)154 / 裁判年月日: 昭和26年10月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民事訴訟法419条の2(現行民事訴訟法336条1項)に規定される憲法違反の判断を不服とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し最高裁判所への抗告を申し立てた。抗告理由は…
事件番号: 昭和26(ク)153 / 裁判年月日: 昭和26年10月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法(旧法)の規定に基づき、原決定における憲法解釈の不当を理由とする場合に限られ、単なる訴訟法規違背の主張は適法な抗告理由にならない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し最高裁判所への抗告を申し立てた。その抗告理由の中には「憲法上無効」という文言が含まれていた…
事件番号: 昭和24(ク)75 / 裁判年月日: 昭和26年2月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上の特別抗告(憲法違反等を理由とするもの)に限られ、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定において法律・命令・規則又は処分が憲法に適合するか否かにつ…