判旨
旧行政裁判所の判決に対する再審の訴えについて、東京高等裁判所が下した終局判決に対し最高裁判所へ上告するには、憲法判断の不当を理由とする場合に限られる。単なる法令解釈の誤りや抽象的な憲法の趣旨の言及のみでは、上告の適法な理由として認められない。
問題の所在(論点)
旧行政裁判所の判決に対する再審の訴えについて東京高裁が下した判決に対し、最高裁への上告が認められるための要件は何か。また、単なる法令解釈の誤りや抽象的な憲法への言及がこれに該当するか。
規範
東京高等裁判所が裁判所法施行令4条の規定により裁判権を有する事件(旧行政裁判所の判決に対する再審事件等)についてした終局判決に対し、最高裁判所へ特別の上告をするためには、その判決において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かについてした判断の不当であることを理由としなければならない(旧民事訴訟法409条の2準用)。
重要事実
上告人は、昭和19年の旧行政裁判所による試掘出願不許可処分取消請求事件の判決に対し、再審の訴えを提起した。原審(東京高裁)は、裁判所法執行令4条5項及び行政裁判所法19条に基づき、当該再審の訴えを不適法として却下した。これに対し、上告人は「原審が裁判所法施行令の解釈を誤った」こと、及び「新憲法の趣旨」に反することを理由として最高裁判所に上告を申し立てた。
あてはめ
本件の上告理由は、原判決による裁判所法施行令4条5項の解釈誤りを主張するものであり、憲法違反の具体的な指摘を含まない。上告理由書において「新憲法の趣旨」という文言が用いられているものの、これは行政事件の取り扱いに関する一般論を述べるにとどまる。したがって、原判決が憲法の特定の条項を無視したといった具体的かつ実質的な憲法判断の不当を主張するものとはいえず、旧民事訴訟法409条の2が定める上告の要件を満たさない。
結論
本件上告は適法な上告理由を欠くため、不適法として却下される。
事件番号: 昭和24(マ)31 / 裁判年月日: 昭和24年11月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が言い渡した判決に対して異議の申立てがあったが、申立てに理由がない場合には、裁判所はこれを却下すべきである。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所昭和24年10月18日宣告の昭和24年(オ)第173号試掘出願不許可処分取消請求事件の判決に対し、異議の申立てを行った。 第2 問題の所在(…
実務上の射程
新憲法下での行政訴訟制度への移行期における経過措置に関する判例である。東京高裁が終審として機能する特定の事件において、最高裁へのアクセスが憲法問題に限定されることを明確にした点に実務上の意義がある。答案上は、特別上告や再上告において「憲法違反」の主張が単なる法令違憲の主張や一般論に留まる場合の不適法性を説明する際の参考となる。
事件番号: 昭和24(オ)223 / 裁判年月日: 昭和26年4月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】行政裁判所から移行した事件の参加申出却下に対する上告は、昭和23年法律149号附則6条2項及び旧民訴法409条の2に基づき、憲法違反を理由とする場合に限られる。単なる法令違反の主張にとどまり、実質的な憲法違反の主張を含まない上告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:上告人は、旧行政裁判所に…
事件番号: 昭和24(ク)67 / 裁判年月日: 昭和24年10月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合に限り許容される。具体的には、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)の特別抗告のように、憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告申立書の内容から、…
事件番号: 昭和24(ク)23 / 裁判年月日: 昭和24年5月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所への申立てを許容する規定(当時の民訴法419条の2等)がある場合に限り認められ、それ以外の場合は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、当該抗告は当時の民事訴訟法419条の2(民訴応急措置法7条)などの、…