判旨
民事訴訟における証拠の取捨選択および事実認定は、原審の裁量に属する専権事項であり、単なる事実誤認の主張は適法な上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
原審の証拠の取捨選択および事実認定に対する不服申し立てが、民事訴訟法上の適法な上告理由となるか。
規範
民事訴訟法上の上告審において、証拠の取捨選択および事実の認定は、原審が適法に行ったものである限り、原則としてその裁量に委ねられる。したがって、原審の認定した事実を非難し、証拠判断の当否を争う主張は、適法な上告理由を構成しない。
重要事実
上告人は、原審が行った証拠の取捨選択および事実認定に不服があるとして上告を申し立てた。しかし、判決文によれば、原審の証拠判断および事実認定の手続き自体には違法性は認められなかった。
あてはめ
本件において上告人が主張する内容は、結局のところ原審が適法に行った証拠の取捨選択や事実認定を非難するにすぎない。これは事実認定の当否を争う事後的な不満の表明であり、憲法違反や判例違反などの法的瑕疵を指摘するものではないため、上告適法の理由には該当しないと判断される。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため棄却される。
実務上の射程
事実認定の専権に関する基本原則を確認したものである。答案作成においては、上告審の構造(法律審)を説明する際や、原審の裁量権の範囲を論じる際、単なる事実誤認の主張が門前払いされる根拠として利用できる。
事件番号: 昭和24(オ)214 / 裁判年月日: 昭和26年3月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において初めて提出された証拠は採用できず、また、原審の証拠取捨や事実認定は裁判所の裁量に属する専権事項である。 第1 事案の概要:上告人が、原審(控訴審)では提出していなかった書証(甲第二、三号証)を上告審において新たに提出し、併せて原審の証拠取捨および事実認定を不当として非難した事案である…
事件番号: 昭和24(オ)23 / 裁判年月日: 昭和26年9月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】証拠の取捨選択および事実の認定は、経験則に反するなどの違法がない限り、事実審裁判所の専権に属する。 第1 事案の概要:上告人は、原審が提出された証拠(甲第1、3、7号証、代表者本人訊問の結果等)の証明力を適切に評価せず、重要な証拠を看過して事実を誤認したと主張し、採証法則違反を理由に上告を提起した…
事件番号: 昭和26(オ)181 / 裁判年月日: 昭和26年8月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、その上告理由の当否が争われた。判決文からは具体的な原因事実や争点となった実体法上の権利関係につ…
事件番号: 昭和28(オ)476 / 裁判年月日: 昭和28年11月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な事項を含まない上告は、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人が、原判決に対して上告を提起した事案である。上告人は、事実誤認および単なる法令違反を主張の根拠としていた。判決文からは具…
事件番号: 昭和26(オ)830 / 裁判年月日: 昭和28年11月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が単なる訴訟法違反や事実誤認の主張に留まり、法令の解釈に関する重要な事項を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が提起した本件上告において、その論旨の内容が、原審における手続上の不備を指摘する訴訟法違反や、認定された事実に疑義を呈する事実誤認の主張に終始していた事案であ…