判旨
旧参議院議員選挙法57条の「当選人は、選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、当選を失う」という規定は、当選決定後から議員となるまでの間に失格した場合を指し、既に議員となった者の資格に関する争訟は、憲法55条に基づき各議院の裁判権に属する。
問題の所在(論点)
議員となった後に被選挙権喪失の事由が生じた場合について、司法裁判所に対して当選の有効性の確認を求める訴えを提起できるか(司法権の限界と議院の資格審査権の分配)。
規範
法律は「当選人」と「議員」を明確に区別している。当選決定後、当選承諾の届出をして議員となるまでの間に被選挙権を失った場合は選挙法(現行公職選挙法等)上の当選喪失の問題となるが、一旦議員となった者がその資格を失うか否かの争訟は、憲法55条に基づき司法裁判所ではなく各議院が裁判する事項である。
重要事実
原告(上告人)は参議院議員選挙に当選し、当選承諾の届出をして議員となった。しかしその後、いわゆる「追放令」に基づき覚書該当者として指定された。これにより、原告は旧参議院議員選挙法57条に基づき当選の有効性の確認を求めて、選挙管理委員会委員長(被告)を相手に訴えを提起した。
あてはめ
原告は当選承諾の届出をして既に「議員」の身分を取得している。旧参議院議員選挙法57条(現行公選法等に相当)は、議員となる前の「当選人」の失格を定めた規定であり、本件には適用されない。本件訴えの本質が「現在でも参議院議員であること」の確認にあるとすれば、それは憲法55条にいう「議員の資格に関する争訟」にあたる。この場合、裁判権は各議院に属し、司法裁判所が審理することはできない。また、選挙管理委員会委員長を被告とする当事者適格も認められない。
結論
本件訴えは、司法裁判所の管轄に属さず、また当事者適格も欠く不適法なものとして却下されるべきである。
実務上の射程
議員の身分取得前(当選人の段階)か取得後かによって、公職選挙法上の訴訟と議院の資格審査権の境界を画定する際の基準となる。司法権の限界(憲法55条)を論じる際の重要判例である。
事件番号: 昭和27(オ)95 / 裁判年月日: 昭和28年2月3日 / 結論: その他
一 選挙の効力に関する訴願裁決書が訴願人に交付される前に、裁決の要旨が告示された場合において、訴願人以外の者が訴を提起するについての出訴期間は、訴願人に裁決書が交付された日から三〇日である。 二 当選の効力に関して異議、訴願を経ていない選挙訴訟において、当選有効の確認を求めることはできない。
事件番号: 昭和23(オ)152 / 裁判年月日: 昭和24年3月19日 / 結論: 棄却
当選訴訟において、選挙の無効を原因として当選人の当選を争うことは許されない。
事件番号: 昭和24(マ)10 / 裁判年月日: 昭和24年4月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の判決に対し異議の申立てがあった場合、その申立てに理由がないときは、裁判所はこれを却下すべきである。 第1 事案の概要:参議院議員当選有効確認請求事件に関し、最高裁判所が昭和24年4月7日に判決を言い渡したところ、申立人が当該判決に対して異議を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論…
事件番号: 昭和37(オ)41 / 裁判年月日: 昭和37年6月22日 / 結論: 棄却
再審の訴は、民訴法第四二〇条第一項列挙の事由ある場合に限り提起しうるものであり、右事由について類推解釈ないし拡張解釈は許されない。(昭和二六年(ヤ)第二号同二八年一〇月二七日第三小法廷判決、昭和二七年(オ)第三九三号、同二九年四月三〇日第二小法廷判決参照)