再審の訴は、民訴法第四二〇条第一項列挙の事由ある場合に限り提起しうるものであり、右事由について類推解釈ないし拡張解釈は許されない。(昭和二六年(ヤ)第二号同二八年一〇月二七日第三小法廷判決、昭和二七年(オ)第三九三号、同二九年四月三〇日第二小法廷判決参照)
再審事由について類推解釈ないし拡張解釈は許されるか。
民訴法420条
判旨
再審の訴えは、民事訴訟法(旧法)420条1項(現行338条1項)に列挙された事由がある場合に限り提起し得るものであり、同条項の事由について類推解釈や拡張解釈をすることは許されない。
問題の所在(論点)
民事訴訟法に規定された再審事由について、条文に明記されていない類似の事由を根拠として再審の訴えを提起するための類推解釈や拡張解釈が認められるか。
規範
再審事由(現行民事訴訟法338条1項、旧法420条1項)は、確定判決の法的安定性を害する重大な瑕疵を限定的に列挙したものである。したがって、各号に掲げられた事由については、厳格に解釈すべきであり、これに準ずる事態が含まれるとするような類推解釈や拡張解釈は認められない。
重要事実
上告人は、選挙管理委員会による当選人の決定という行政処分の反射的効果として、被上告人が正当な次点者であるとされた事実に着目した。上告人は、この行政処分が旧法420条1項8号(判決の基礎となった行政処分が変更された場合)に掲げる事由に準ずるものであると主張し、本件確定判決に対する再審の訴えを提起した。
事件番号: 昭和35(オ)500 / 裁判年月日: 昭和35年9月13日 / 結論: 棄却
県議会議員選挙と前後して行なわれた市議会議員選挙の候補者にC寛一がある場合に、県議会議員選挙におけるC寛一を意味する投票は候補者C寛二に対する有効投票とは認められない。
あてはめ
上告人は、当選人の決定という行政処分が判決の基礎に関わることから、旧法420条1項8号の事由に準ずると主張する。しかし、同条項は法的安定性を確保するため再審事由を限定列挙した規定である。本件で主張される「行政処分の反射的効果」等は、条文が直接規定する「判決の基礎となった行政処分」そのものではない。限定列挙の趣旨からすれば、このような類推的な解釈を介入させる余地はないというべきである。
結論
再審事由の類推解釈や拡張解釈は許されないため、本件再審の訴えは適法な再審事由を欠き、棄却を免れない。
実務上の射程
再審事由の限定列挙性を強調する判例であり、実務上、条文の文言から外れた事由をもって再審を申し立てることは極めて困難であることを示している。答案上は、再審の訴えの適法性を検討する際、338条1項各号の該当性を厳格に解釈する根拠として引用し得る。
事件番号: 昭和31(オ)260 / 裁判年月日: 昭和32年3月28日 / 結論: 棄却
候補者にB和夫とD一男とがある場合に「B一男」と記載された投票は、B和夫に対する有効投票と解するを相当とする。
事件番号: 昭和31(オ)450 / 裁判年月日: 昭和33年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】選挙の無効が主張される場合において、選挙が具体的規定に違反しないことはもちろん、選挙人の自由な意思表明を確保し公明かつ適正に行われるべきという選挙法の精神に反しない限り、当該選挙は有効である。 第1 事案の概要:上告人は、本件選挙の手続等において選挙法の精神に反する事由があるとして、選挙無効を求め…
事件番号: 昭和28(オ)650 / 裁判年月日: 昭和28年12月4日 / 結論: 棄却
大赦により有罪の判決言渡が効力を失つても、公職選挙法第二五二条により、大赦前被選挙権を有しなかつたことは、恩赦法第一一条にいわゆる既成の効果である。
事件番号: 昭和31(オ)237 / 裁判年月日: 昭和31年9月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法上の投票の効力判定において、投票用紙に記載された文字が判読可能であり、かつ候補者の氏名と同一または類似する場合には、当該投票は有効と解される。本判決は、原審の事実認定および効力判定に法令違背がないとして上告を棄却した。 第1 事案の概要:本件は、選挙における各投票の効力が争われた事案であ…