一 出入国管理及び難民認定法(平成元年法律第七九号による改正前のもの)四条一項一六号、同法施行規則(平成二年法務省令第一五号による改正前のもの)二条三号に基づく在留資格をもって本邦に在留する外国人の在留期間の更新申請に対し在留期間を一年と指定して許可する処分の取消しを求める訴えは、その利益を欠く。 二 外国人登録法(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの)一四条は、憲法一三条、一四条に違反しない。
一 出入国管理及び難民認定法(平成元年法律第七九号による改正前のもの)四条一項一六号同法施行規則(平成二年法務省令第一五号による改正前のもの)二条三号に基づく在留資格をもって本邦に在留する外国人の在留期間の更新申請に対し在留期間を一年と指定して許可する処分の取消しを求める訴えの利益 二 外国人登録法(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの)一四条と憲法一三条、一四条
出入国管理及び難民認定法(平成元年法律第79号による改正前のもの)4条1項16号2項,出入国管理及び難民認定法21条,出入国管理及び難民認定法施行規則(平成2年法務省令第15号による改正前のもの)2条3号,出入国管理及び難民認定法施行規則(平成2年法務省令第15号による改正前のもの)3条6号,行政事件訴訟法9条,憲法13条,憲法14条,外国人登録法(昭和62年法律第102号による改正前のもの)14条
判旨
憲法13条は個人の私生活上の自由の一つとして指紋押なつを強制されない自由を保障するが、その自由は無制限ではなく、公共の福祉のため、目的の合理性・必要性・手段の相当性が認められる場合には制限が許容される。
問題の所在(論点)
外国人登録法が定める指紋押なつ義務の規定は、みだりに指紋の押なつを強制されない自由(憲法13条)を侵害し、違憲ではないか。
規範
憲法13条は、個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有する。しかし、同自由も公共の福祉のため制限を受ける。その許容性は、①立法目的の合理性・必要性、および②手段の相当性(精神的・肉体的苦痛の程度、強制の態様など)を考慮し、制限が一般的に許容される限度を超えないか否かで判断する。
重要事実
本邦に在留する外国人である上告人は、外国人登録法14条に基づき、5年ごとの登録更新時に一指の指紋押なつを義務付けられていた。上告人は、指紋押なつは精神的苦痛を伴い、プライバシーを侵害する違憲なものであるとして、これを拒否。指紋押なつ拒否を理由として在留期間更新の際に期間を短縮(1年)された処分の取消し等を求めて争った。
あてはめ
①目的面:戸籍制度のない外国人の身分関係を明確にし、在留管理の公正を期す目的には十分な合理性と必要性が認められる。②手段面:押なつ義務は5年に一度、一指のみであり、罰則による間接強制にとどまる。これは精神的・肉体的に過度の苦痛を伴うものとはいえず、方法としても一般的に許容される限度を超えない相当なものである。したがって、憲法13条に違反しない。また、戸籍制度の有無という社会的事実の差異に基づき日本人と異なる取扱いをすることには合理的根拠があり、憲法14条にも違反しない。
結論
外国人登録法による指紋押なつ義務の規定は、憲法13条および14条に違反せず、合憲である。これに伴う在留期間更新処分の是非に関する原審の判断も正当である。
実務上の射程
プライバシー権(憲法13条)の制限が問題となる事案、特に行政上の目的で行われる情報取得の合憲性判定の枠組みとして重要。目的の合理性・必要性と手段の相当性を比較衡量する審査手法は、後の住基ネット訴訟などにも影響を与えている。
事件番号: 昭和32(あ)2994 / 裁判年月日: 昭和33年4月24日 / 結論: 棄却
外国人登録法第一八条第一項第八号前段の罪は、同法第一四条第一項所定の各申請をする者が、その申請に際し登録原票等に指紋を押なつしなかつたときは直ちに成立し、その後になつて指紋を押なつしても、同罪の成立に何らの影響を及ぼすものではない
事件番号: 昭和50(行ツ)120 / 裁判年月日: 昭和53年10月4日 / 結論: 棄却
一 外国人は、憲法上、わが国に在留する権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されていない。 二 出入国管理令二一条三項に基づく在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由の有無の判断は「法務大臣の裁量に任されているものであり、上陸拒否事由又は退去強制事由に準ずる事由に該当しない限り更新を不許可にすること…
事件番号: 平成6(行ツ)183 / 裁判年月日: 平成8年7月2日 / 結論: 棄却
出入国管理及び難民認定法別表第二所定の「日本人の配偶者等」の在留資格をもって本邦における在留を継続していた外国人につき、法務大臣が、右外国人と日本人である配偶者とが長期間にわたり別居していたことなどから、右外国人の本邦における活動は、日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当しないと判断し、右外国人の意に反して、…