外国人登録原票の登録事項の確認制度を定めた外国人登録法一八条一項一号(平成四年法律第六六号による改正前のもの)、一一条一項(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの)は、憲法一三条、一四条に違反しない。
外国人登録原票の登録事項の確認制度を定めた外国人登録法一八条一項一号(平成四年法律第六六号による改正前のもの)、一一条一項(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの)と憲法一三条、一四条
憲法13条,憲法14条,外国人登録法(昭和62年法律102号による改正前のもの)11条1項,外国人登録法(平成4年法律66号による改正前のもの)18条1項1号
判旨
憲法13条は個人の意思に反してプライバシー情報を開示されない自由を保障するが、外国人登録法に基づく登録事項確認義務は、立法目的の合理性、必要性、相当性が認められるため、同条に違反しない。
問題の所在(論点)
外国人登録法が定める登録事項確認制度(切替確認義務)およびその罰則規定は、プライバシー権(憲法13条)、平等権(憲法14条)、適正手続(憲法31条)に違反しないか。
規範
憲法13条は、個人の意思に反してみだりにプライバシーに属する情報の開示を公権力により強制されない自由を保障する。もっとも、当該自由も無制限ではなく公共の福祉による制限を受ける。プライバシー情報の開示を求める制度の合憲性は、①立法目的の合理性、②制度の必要性、③制度の相当性(情報の性質や対象者の負担)を総合考量して判断すべきである。
重要事実
被告人は在日朝鮮人として本邦に在留していたが、当時の外国人登録法に基づき義務付けられていた登録事項(職業、勤務所等を含む)の確認申請を行わなかった。この不申請行為について、同法18条1項1号違反として起訴された。被告人側は、同法がプライバシー権を保障する憲法13条や、法の下の平等を定める憲法14条等に違反すると主張して争った。
あてはめ
①本制度は、在留外国人の居住・身分関係を明確にし、公正な管理に資するという行政目的のために設けられており、立法目的には十分な合理性と必要性が認められる。②確認を求められる事項(職業、勤務所等)は、個人の内心に関わる情報ではなく、申請者に過度の負担を強いるものでもないため、一般的に許容される限度を超えず相当である。③日本人との取扱いの差異については、戸籍制度のない外国人との社会的事実関係の相違に基づき合理的根拠がある。④刑事罰による実効性の担保も立法府の裁量の範囲内である。
結論
外国人登録法が定める登録事項確認制度およびその罰則規定は、憲法13条、14条、31条のいずれにも違反しない。
実務上の射程
プライバシー権の侵害が問題となる事案において、目的・必要性・相当性の三要素からなる審査枠組み(いわゆる三段階審査に近い判断)を示すものとして活用できる。特に、内心に関わらない客観的な情報の開示については、行政上の必要性から相当性が認められやすいことを示唆している。
事件番号: 昭和28(あ)4839 / 裁判年月日: 昭和32年4月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】外国人登録法が外国人に登録義務を課すことは、居住・身分関係を明確にして公正な管理を図るという合理的な目的によるものであり、憲法14条1項の法の下の平等に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が外国人登録法(旧外国人登録令の後身)の定める登録義務に違反したとして起訴された事案である。被告人は、外国人…