判旨
外国人登録法が外国人に登録義務を課すことは、居住・身分関係を明確にして公正な管理を図るという合理的な目的によるものであり、憲法14条1項の法の下の平等に違反しない。
問題の所在(論点)
在留外国人の居住関係・身分関係を明確にするために外国人登録を義務付ける外国人登録法が、日本国民と異なる取扱いを強いる点で憲法14条1項に違反するか。
規範
憲法14条1項の平等原則との関係において、特定の属性に基づく規制であっても、立法目的が在留外国人の公正な管理など正当な行政目的に基づき、その手段として合理的であり、人種的な差別待遇を意図するものでない限り、合憲と解される。
重要事実
被告人が外国人登録法(旧外国人登録令の後身)の定める登録義務に違反したとして起訴された事案である。被告人は、外国人に対してのみ登録義務を課し違反を処罰する同法は、憲法14条1項が禁ずる人種等による差別待遇にあたり違憲であると主張して上告した。
あてはめ
外国人登録法は、本邦に在留する外国人の居住・身分関係を明確化し、公正な管理に資することを目的としている。これは諸外国でも一般的に行われている規制であり、特定の人種を不当に差別する趣旨ではない。したがって、外国人の取扱いの適正を期するための必要かつ合理的な手続であると認められ、憲法が禁ずる不当な差別に該当しないといえる。
結論
外国人登録法は憲法14条1項に違反しない。よって、同法違反の罪を認めた原判決は妥当であり、上告は棄却される。
実務上の射程
外国人の人権を制限する法規制の合憲性が問われる事案において、行政目的(管理の適正化)の正当性と手段の合理性を論じる際の先例として活用できる。特に、国民との法的区別の合理性を基礎づける際に、諸外国の例や管理の必要性に言及する論法として有用である。
事件番号: 昭和26(あ)3911 / 裁判年月日: 昭和30年12月14日 / 結論: 棄却
外国人登録令(昭和二二年勅令第二〇七号)は憲法第一四条に違反しない。
事件番号: 昭和32(あ)258 / 裁判年月日: 昭和32年6月4日 / 結論: 棄却
外国人の登録証明書携帯義務を規定した外国人登録法一三条一項の規定が憲法一四条に違反するものでないことは、昭和二六年(あ)第三九一一号同三〇年一二月一四日大法廷判決(刑集九巻一三号二七五六頁参照)の趣旨に徴し明らかである。