外国人の登録証明書携帯義務を規定した外国人登録法一三条一項の規定が憲法一四条に違反するものでないことは、昭和二六年(あ)第三九一一号同三〇年一二月一四日大法廷判決(刑集九巻一三号二七五六頁参照)の趣旨に徴し明らかである。
外国人登録法第一三条第一項の合憲性
外国人登録法13条1項,憲法14条
判旨
外国人の登録証明書携帯義務を規定した外国人登録法13条1項(当時)は、憲法14条の法の下の平等に違反しない。
問題の所在(論点)
外国人の登録証明書携帯義務を規定した外国人登録法13条1項(当時)が、日本人と外国人を差別するものであり、憲法14条に違反するか。
規範
憲法14条は、事柄の性質に応じた合理的な根拠に基づく差別を許容しており、外国人に対して日本人と異なる特別な管理を課す場合であっても、その目的が正当であり、手段がその目的達成のために必要かつ合理的な範囲に留まるのであれば、同条に違反しない。
重要事実
被告人は外国人であったが、当時の外国人登録法13条1項が規定する外国人登録証明書の携帯義務に違反したとして起訴された。被告人側は、日本人にはないこのような義務を外国人にのみ課すことは、憲法14条に定める平等原則に反し違憲であると主張して上告した。
あてはめ
外国人の公正な管理を図るという行政上の目的の正当性に鑑みれば、登録証明書の常時携帯を義務付けることは、その身分関係を迅速かつ確実に証明するために必要かつ合理的な手段といえる。日本人との取扱いの差異は、事柄の性質に基づいた合理的な根拠のある差別であると解される。
結論
外国人登録法13条1項は、憲法14条に違反するものではないため、本件上告を棄却する。
実務上の射程
人権の享有主体性および平等の文脈で活用される。外国人に対して日本人と異なる規制を課す際、行政上の目的の正当性と手段の合理性があれば憲法14条に反しないとする初期の判断枠組みを示している。現代の試験では『マクリーン事件』等の枠組みを優先しつつ、制度的な差異(戸籍制度の有無等)に言及する際の補強として機能する。
事件番号: 昭和32(あ)2994 / 裁判年月日: 昭和33年4月24日 / 結論: 棄却
外国人登録法第一八条第一項第八号前段の罪は、同法第一四条第一項所定の各申請をする者が、その申請に際し登録原票等に指紋を押なつしなかつたときは直ちに成立し、その後になつて指紋を押なつしても、同罪の成立に何らの影響を及ぼすものではない
事件番号: 昭和42(あ)94 / 裁判年月日: 昭和42年6月9日 / 結論: 棄却
居住地変更の登録を怠つた者を処罰する外国人登録法第八条第一項、第一八条第一項第一号の規定が憲法第二二条第一項に違反するものでないことは、当裁判所大法廷判決(昭和二五年(あ)第五八六号同二八年五月六日宣告、刑集七巻五号九三二頁)の趣旨に徴し明らかである。