国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている公職選挙法九条一項の規定は、憲法一五条、一四条に違反しない。
国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている公職選挙法九条一項と憲法一五条、一四条
憲法14条1項,憲法15条1項,公職選挙法9条1項
判旨
国会議員の選挙権を日本国民に限定している公職選挙法9条1項の規定は、憲法15条および14条に違反しない。
問題の所在(論点)
国会議員の選挙権を日本国民に限定し、外国人に付与していない公職選挙法9条1項は、憲法15条および14条に違反するか。
規範
憲法15条1項、3項および憲法43条1項の「国民」ないし「人民」とは、日本国籍を有する者を指す。したがって、国政選挙における参政権の保障は日本国民のみに及び、在日外国人等に選挙権を付与しないことは、憲法の予定する国民主権の原理に合致する。また、日本国民と外国人との間に選挙権の有無という差別が生じることは、事柄の性質に基づいた合理的な区別であり、憲法14条の法の下の平等にも反しない。
重要事実
日本に居住する外国籍の者が、国会議員の選挙権を日本国民に限っている公職選挙法9条1項は、憲法15条(参政権)や憲法14条(平等権)に違反し無効であると主張して争った事案。
あてはめ
最高裁昭和53年10月4日大法廷判決の趣旨に鑑みれば、憲法上の参政権の保障は日本国民を対象としたものであり、外国人はその保障の枠外にある。公職選挙法9条1項が選挙権者を日本国民に限定していることは、憲法の予定する統治構造の基本原則に基づくものであり、不合理な差別とはいえない。
結論
公職選挙法9条1項は、憲法15条および14条に違反しない。
実務上の射程
国政選挙における外国人参政権を否定する確定的な判例として、答案上では「国民」の定義や外国人への基本権の保障の限界を論ずる際の根拠として用いる。なお、地方選挙権に関する定住外国人の許容性については本判決では直接言及されていない点に注意が必要である(後年の平成7年判決参照)。
事件番号: 昭和60(オ)1427 / 裁判年月日: 平成4年4月28日 / 結論: 棄却
戦傷病者戦没者遺族等援護法附則二項及び恩給法九条一項三号の各規定は、いずれも憲法一四条一項に違反しない。 (意見がある。)