控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選出届の提出された弁護人に対しては、右最終日の通知を要しない、とした原判示は相当である。(昭和二五年(あ)二七七七号、同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選出届の提出された弁護人に対する最終日通知の要否。
刑訴規則236条
判旨
控訴趣意書の提出最終日が指定された後に選任された弁護人に対しては、裁判所は改めて当該最終日の通知を行う必要はない。
問題の所在(論点)
控訴趣意書の提出最終日が指定・通知された後に選任された弁護人に対し、裁判所は改めて最終日の通知を行う必要があるか。また、通知を欠くことが憲法37条3項に反するか。
規範
裁判所が控訴趣意書の提出最終日を指定して通知した後、新たに弁護人が選任された場合であっても、裁判所は当該新受任弁護人に対し、改めて提出最終日を通知する義務を負わない。
重要事実
被告人が控訴した事案において、裁判所は控訴趣意書の提出最終日を指定し、その旨を通知した。しかし、当該指定がなされた後に、新たに弁護人選任届が提出された。裁判所はこの新弁護人に対して提出最終日の通知を行わなかったため、弁護人はこれを憲法37条3項(弁護権の保障)違反および訴訟手続の法令違反として特別抗告を申し立てた。
事件番号: 昭和39(し)13 / 裁判年月日: 昭和39年3月12日 / 結論: 棄却
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選任届の提出された弁護人に対しては、右最終日の通足を要しないことは、当裁判所の屡次の判例−昭和二五年(あ)第二七七七号、同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁・昭和三六年(し)第四六号、同年一一月一四日第二小法廷決定、裁判集第一四〇号一二三頁・昭和三七年(し)第三五号、…
あてはめ
最高裁判所は、既になされた提出最終日の指定の効力は弁護人の交代や新任によって左右されないと解している。本件においても、最終日の指定後に選任された弁護人に対し、個別に再度の通知を要しないとした原判断は相当である。したがって、通知を欠いたとしても、憲法37条3項にいう弁護権の侵害には当たらず、単なる訴訟法違反の主張にも理由がない。
結論
本件特別抗告を棄却する。控訴趣意書の提出最終日指定後に選任された弁護人に対する再通知は不要である。
実務上の射程
弁護人の選任時期と裁判所の通知義務の関係を画する射程を持つ。実務上、弁護人は選任時に自ら記録を確認し、既定の期限を把握すべき責任を負うことを示唆する。答案上は、弁護権の具体的保障の限界を論じる際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和30(し)1 / 裁判年月日: 昭和30年10月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書の提出最終日を弁護人に通知すべき義務は、当該最終日の指定当時において既に選任されている弁護人に対してのみ認められる。したがって、指定後に選任届が提出された弁護人に対しては、裁判所は改めて最終日の通知を行う必要はない。 第1 事案の概要:被告人は控訴を申し立てたが、裁判所が控訴趣意書の提出…
事件番号: 昭和37(し)35 / 裁判年月日: 昭和37年9月27日 / 結論: 棄却
刑訴規則第二三六条の法意は、控訴趣意書差出最終日の通知は右最終日の指定後に弁護人選任届の提出された弁護人に対してこれをすることを要しない趣旨と解すべきである(昭和二五年(あ)二七七七号同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)
事件番号: 昭和25(し)27 / 裁判年月日: 昭和26年2月9日 / 結論: 棄却
強制弁護の事件につき、裁判所が被告人に対し、弁護人を選任することができること、貧困その他の事由によつて弁護人を選任することができないときは、弁護人の選任を請求することができるとの記載のある弁護人選任に関する通知を出したのに対し、被告人から自分の方で弁護人甲を選任する旨を回答があつた場合には、控訴裁判所は被告人に対し、控…
事件番号: 昭和50(し)62 / 裁判年月日: 昭和50年8月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書差出最終日の指定通知後に選任された弁護人に対し、改めて当該最終日の通知を行う必要はなく、これを通知しなかったとしても憲法13条、32条、37条に違反しない。 第1 事案の概要:控訴審において、裁判所が控訴趣意書の差出最終日を指定し、その通知を行った。しかし、当該指定通知がなされた後に、新…