刑訴規則第二三六条の法意は、控訴趣意書差出最終日の通知は右最終日の指定後に弁護人選任届の提出された弁護人に対してこれをすることを要しない趣旨と解すべきである(昭和二五年(あ)二七七七号同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)
刑訴規則第二三六条の法意。
刑訴規則236条
判旨
控訴趣意書の差出最終日の通知は、その指定後に選任された弁護人に対しては行うことを要せず、この理は通知書の発送後かつ到達前に弁護人選任届が提出された場合であっても同様である。
問題の所在(論点)
控訴趣意書の差出最終日の指定後、被告人に通知が到達する前に弁護人が選任された場合、裁判所は当該弁護人に対しても最終日の通知を行う義務を負うか(刑訴規則236条の解釈)。
規範
刑訴規則236条の趣旨は、控訴趣意書差出最終日の通知について、当該最終日の指定後に弁護人選任届が提出された弁護人に対しては、これをすることを要しないという点にある。この判断枠組みは、被告人に対する通知書の発送後、その到達前に選任届が提出された場合にも同様に適用される。
重要事実
広島高裁は昭和37年5月21日、控訴趣意書差出最終日を同年6月21日と指定し、被告人に対し通知書を発送した。翌22日、通知書が被告人に送達されたが、同日中に被告人と弁護人の連署による弁護人選任届が裁判所に提出された。裁判所は当該弁護人に対し、差出最終日の通知を行わなかった。
事件番号: 昭和30(し)1 / 裁判年月日: 昭和30年10月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書の提出最終日を弁護人に通知すべき義務は、当該最終日の指定当時において既に選任されている弁護人に対してのみ認められる。したがって、指定後に選任届が提出された弁護人に対しては、裁判所は改めて最終日の通知を行う必要はない。 第1 事案の概要:被告人は控訴を申し立てたが、裁判所が控訴趣意書の提出…
あてはめ
本件では、裁判所が最終日を指定し通知を発送した後に弁護人が選任されている。刑訴規則236条の法意に照らせば、指定後に選任された弁護人は自ら進んで最終日を確認すべきであり、裁判所側に通知の義務は生じない。通知が被告人に「到達」する前であっても、既に「指定」の手続きが完了し発送されている以上、その後に選任された弁護人への通知を不要とする結論は左右されない。
結論
裁判所が当該弁護人に対して差出最終日の通知をしなかった措置に違法はなく、弁護人の異議を棄却した原決定は正当である。
実務上の射程
控訴審の手続き遅延を防止する観点から、弁護人への通知義務の範囲を限定的に解した判例である。答案上は、弁護人の権利保障と訴訟経済の調和の文脈で、裁判所の通知義務の有無を判断する際の基準として活用できる。特に「指定後」の選任であれば一貫して通知不要とする実務の運用を裏付けるものである。
事件番号: 昭和36(し)46 / 裁判年月日: 昭和36年11月14日 / 結論: 棄却
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選出届の提出された弁護人に対しては、右最終日の通知を要しない、とした原判示は相当である。(昭和二五年(あ)二七七七号、同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)
事件番号: 昭和40(し)53 / 裁判年月日: 昭和40年7月29日 / 結論: 棄却
刑訴規則第二三六条の法意は、控訴趣意書差出最終日の通知は、右最終日の指定後に弁護人選任届の提出された弁護人に対してはこれをすることを要しない趣旨と解すべきである。(昭和二五年(あ)第二七七七号同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)
事件番号: 昭和39(し)13 / 裁判年月日: 昭和39年3月12日 / 結論: 棄却
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選任届の提出された弁護人に対しては、右最終日の通足を要しないことは、当裁判所の屡次の判例−昭和二五年(あ)第二七七七号、同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁・昭和三六年(し)第四六号、同年一一月一四日第二小法廷決定、裁判集第一四〇号一二三頁・昭和三七年(し)第三五号、…
事件番号: 昭和57(し)72 / 裁判年月日: 昭和57年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書の差出最終日を指定した後に選任された弁護人に対し、改めて当該最終日の通知を行う必要はない。この運用は、憲法31条、32条、37条1項のいずれにも違反しない。 第1 事案の概要:本件において、裁判所は控訴趣意書の差出最終日を指定したが、その後、弁護人選任届が提出された。新たに選任された弁護…