刑訴規則第二三六条の法意は、控訴趣意書差出最終日の通知は、右最終日の指定後に弁護人選任届の提出された弁護人に対してはこれをすることを要しない趣旨と解すべきである。(昭和二五年(あ)第二七七七号同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選任届の提出された弁護人に対する最終日通知の要否。
刑訴規則236条1項
判旨
控訴趣意書の差出最終日の通知は、その指定後に選任された弁護人に対しては行う必要がなく、被告人に対して適法な通知がなされていれば足りる。
問題の所在(論点)
控訴趣意書の差出最終日の指定後に選任された弁護人に対し、裁判所は改めて最終日の通知を行う義務を負うか。刑訴規則236条の通知義務の範囲が問題となる。
規範
刑訴規則236条の法意は、控訴趣意書の差出最終日の通知について、当該最終日の指定後に弁護人選任届が提出された弁護人に対しては、これをすることを要しないものと解すべきである。
重要事実
広島高裁は、控訴趣意書の差出最終日を昭和40年5月27日と指定し、同年4月29日に被告人へ通知書を送達した。その後、同年5月2日に被告人と弁護人の連署による弁護人選任届が提出されたが、同裁判所は新たに選任された当該弁護人に対しては、最終日の通知を行わなかった。
事件番号: 昭和30(し)46 / 裁判年月日: 昭和30年11月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書の差出最終日の通知を弁護人に対しても行うべきとする刑訴規則236条1項は、通知の発送時点で既に弁護人選任届が提出されている場合に適用される。したがって、通知発送後に選任された弁護人に対して重ねて通知を行う必要はない。 第1 事案の概要:控訴審裁判所は、昭和30年5月30日に上訴記録の送付…
あてはめ
本件では、裁判所は弁護人が選任される前に、被告人本人に対して適法に控訴趣意書の差出最終日を通知している。この通知により、被告人側には期限の遵守を求める手続的保障が既に図られている。刑訴規則236条は、指定後に選任された弁護人への通知までを求めているわけではないため、弁護人への通知を欠いたとしても、手続上の違法は存在しないと判断される。
結論
被告人に対する通知が適法である以上、指定後に選任された弁護人への通知は不要であり、原決定に違法はない。
実務上の射程
本判決は、控訴審における期限管理の責任を明確化しており、被告人への通知が適法になされていれば、後任の弁護人は自らその期限を確認すべきであるという実務上の運用を支えるものである。
事件番号: 昭和30(し)1 / 裁判年月日: 昭和30年10月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書の提出最終日を弁護人に通知すべき義務は、当該最終日の指定当時において既に選任されている弁護人に対してのみ認められる。したがって、指定後に選任届が提出された弁護人に対しては、裁判所は改めて最終日の通知を行う必要はない。 第1 事案の概要:被告人は控訴を申し立てたが、裁判所が控訴趣意書の提出…
事件番号: 昭和37(し)35 / 裁判年月日: 昭和37年9月27日 / 結論: 棄却
刑訴規則第二三六条の法意は、控訴趣意書差出最終日の通知は右最終日の指定後に弁護人選任届の提出された弁護人に対してこれをすることを要しない趣旨と解すべきである(昭和二五年(あ)二七七七号同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)
事件番号: 昭和50(し)62 / 裁判年月日: 昭和50年8月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書差出最終日の指定通知後に選任された弁護人に対し、改めて当該最終日の通知を行う必要はなく、これを通知しなかったとしても憲法13条、32条、37条に違反しない。 第1 事案の概要:控訴審において、裁判所が控訴趣意書の差出最終日を指定し、その通知を行った。しかし、当該指定通知がなされた後に、新…
事件番号: 昭和39(し)13 / 裁判年月日: 昭和39年3月12日 / 結論: 棄却
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選任届の提出された弁護人に対しては、右最終日の通足を要しないことは、当裁判所の屡次の判例−昭和二五年(あ)第二七七七号、同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁・昭和三六年(し)第四六号、同年一一月一四日第二小法廷決定、裁判集第一四〇号一二三頁・昭和三七年(し)第三五号、…