判旨
法廷等の秩序維持に関する法律2条1項の制裁規定は、憲法に違反するものではない。法廷の秩序を維持するための裁判所の措置は、司法権の適正な行使を保障する観点から合憲と解される。
問題の所在(論点)
法廷等の秩序維持に関する法律2条1項の制裁規定が、憲法各条項(適正手続等)に違反し、違憲とならないか。
規範
法廷等の秩序維持に関する法律(以下「法」という)2条1項の規定は、適正な裁判を実現するための合理的な制裁制度であり、憲法の諸規定(適正手続や裁判を受ける権利等)に抵触しない。これは、裁判所の司法警察権に基づく秩序維持措置として憲法上許容される。
重要事実
本件は、法2条1項に基づき制裁を受けた者が、当該規定が憲法に違反すると主張して特別抗告を申し立てた事案である。抗告人は、法廷における秩序維持のための制裁が、憲法が保障する基本的人権や適正な刑事手続の諸原則に違反すると主張した。
あてはめ
最高裁判所大法廷の判例(昭和33年10月15日決定)が示した、法2条1項は合憲であるとする趣旨を本件にも適用すべきである。また、抗告人が主張する違憲の論点は、抗告審において主張・判断がなかった事項であり、特別抗告の適法な理由にも当たらない。したがって、同条項に基づきなされた措置は憲法上適法であると評価される。
結論
法廷等の秩序維持に関する法律2条1項は合憲であり、本件特別抗告を棄却する。
実務上の射程
裁判所法に基づく法廷警察権の具体的な行使(制裁)の合憲性を確認した判例である。法廷秩序を乱す行為に対する裁判所の広範な裁量権を認める根拠として、答案上は司法権の独立や適正な法廷運営の確保を論じる際に参照すべきである。
事件番号: 昭和35(秩ち)2 / 裁判年月日: 昭和35年10月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律は、司法の使命とする正常かつ適正な運営を確保するために必要不可欠な権限を定めたものであり、憲法19条、21条、31条等の諸規定に違反しない。 第1 事案の概要:特別抗告人が、法廷等の秩序維持に関する法律(本法)の規定が憲法19条(思想・良心の自由)、21条(表現の自由)…
事件番号: 昭和35(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和35年9月21日 / 結論: 棄却
法廷等の秩序維持に関する法律第二条にもとづき当該被告事件の弁護人を非公開の法廷で監置処分にしても、憲法第三一条、第三四条、第三七条第三項および第八二条に違反するものではない。
事件番号: 昭和55(秩ち)2 / 裁判年月日: 昭和55年7月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁手続が、憲法31条、32条、34条に違反しないことは、当裁判所の大法廷判例の趣旨に照らし明らかである。 第1 事案の概要:抗告人は、法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁を受けたが、同法による制裁の手続およびその解釈が、憲法31条、32条、34条に違反する…
事件番号: 昭和44(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和44年5月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律(本法)は、制裁を科すための要件を具体的に定めており、憲法31条、82条1項、21条1項、32条、37条3項等に違反しない。法廷の秩序維持を目的とした制裁規定の構成要件は明確であり、適正手続等の憲法上の諸原則に抵触するものではない。 第1 事案の概要:申立人らは、法廷等…
事件番号: 昭和53(秩ち)2 / 裁判年月日: 昭和53年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律及び同法に基づく監置決定は、憲法18条、25条1項、31条、34条、37条、82条1項等の各規定に違反するものではない。 第1 事案の概要:抗告人が、法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下された監置決定に対し、憲法15条2項、18条、25条1項、31条、32条、34条、…