勾留更新決定の執行は、その謄本の送達を要件としない。
勾留更新決定の執行と謄本の送達。
刑訴法70条,刑訴法73条,刑訴法60条2項
判旨
勾留更新決定の執行力は、当該決定謄本の被告人等への送達を効力発生の要件としない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上、勾留期間を更新する裁判の効力(執行力)が発生するために、被告人または弁護人に対する決定謄本の送達が必要か。
規範
勾留更新決定の執行は、裁判の効力発生一般の原則にかかわらず、その謄本の送達を要件としない。
重要事実
申立人に対し勾留更新決定がなされたが、その謄本が申立人に送達されないまま勾留が継続された。申立人は、謄本の送達がない以上、当該決定には執行力が認められず、身体拘束を継続することは違法であると主張して特別抗告を申し立てた。
あてはめ
勾留更新決定は、既に適法に開始されている身体拘束の期間を延長する性質のものである。最高裁は、先行する判例を踏襲し、勾留更新決定の執行にあたって謄本の送達は不要であると判示した。本件においても、謄本が送達されていないことをもって執行力がないとする申立人の主張は、法の解釈上採用できない。
事件番号: 昭和24新(つ)12 / 裁判年月日: 昭和25年9月8日 / 結論: 棄却
本件特別抗告は、被告人に對する昭和二四年(を)第一五一〇號窃盜窃被告事件の控訴審たる東京高裁が昭和二四年九月一七日決定した同被告人に關する勾留更新決定に對する異議申立棄却決定につき、同月二〇日抗告人より爲されたものである。しかるに、右被告事件は同年一二月二七日控訴棄却の判決があり確定したものであることが、その後における…
結論
勾留更新決定の執行に謄本の送達は不要であり、送達を欠いたままなされた執行も適法である。
実務上の射程
身体拘束に関する裁判の告知・送達と効力発生時期に関する論点で活用できる。原則として裁判は告知により効力を生じるが、勾留更新については謄本送達を待たずに即時に執行力を有するという実務上の取扱いを正当化する根拠となる。答案上は、迅速な手続の要請や身体拘束の継続性の観点から短く引用するのが適切である。
事件番号: 昭和29(し)27 / 裁判年月日: 昭和29年6月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】有罪判決の確定により未決勾留はその効力を失うため、勾留期間更新決定の当否を争う特別抗告は、不服申立ての利益を欠き不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は窃盗被告事件に関し、名古屋高等裁判所で控訴棄却の有罪判決を受けた。これに対し上告受理の申立てを行ったが受理されず、昭和29年5月14日に原判決が…
事件番号: 平成6(し)88 / 裁判年月日: 平成6年7月8日 / 結論: 棄却
勾留期間更新決定に関する抗告申立ての利益は、右決定による勾留の期間の満了により失われる。
事件番号: 昭和40(し)79 / 裁判年月日: 昭和41年10月19日 / 結論: 棄却
一 原裁判所は上訴提起後であつても、訴訟記録がまだ上訴裁判所に到達しない間は、被告人を勾留することができる 二 勾留をする裁判所が、すでに被告事件の審理の際、被告事件に関する陳述を聞いている場合には、改めて刑訴法第六一条のいわゆる勾留質問をしなければならないものではない
事件番号: 昭和28(し)24 / 裁判年月日: 昭和28年5月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留の継続には、犯罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由および罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由の存続が必要である。本件においてはこれらの要件が依然として存続していると認められ、勾留の継続を相当とした原決定に憲法違反はない。 第1 事案の概要:被告人は特定の犯罪事実に係る被疑者として勾留されて…