判旨
判決書の証拠説明において明白な誤謬がある場合であっても、本来の趣旨に従って文意を読解すべきであり、その読解に基づいて判決の正当性を判断すべきである。
問題の所在(論点)
判決理由の証拠説明に明白な誤りがある場合、それが判決の違法事由(判例違反等)に該当するか。
規範
判決理由中の証拠説明に明白な誤謬が存在する場合であっても、直ちに判決が違法となるわけではなく、その本来の趣旨に従って文意を読解すべきである。
重要事実
被告人A、B、C、Dの各弁護人が量刑不当、判例違反、法令違反、事実誤認を理由に上告を申し立てた。特に被告人Bの弁護人は、原判決の理由中の証拠説明に誤りがあることを指摘し、判例違反を主張した。
あてはめ
原判決の証拠説明に明白な誤謬が存する場合であっても、前後の文脈や本来の趣旨に照らして文意を合理的に読解すべきである。本件において、原判決の判断は引用判例に相反するものとは認められず、読解によって正当性が維持される範囲内のものである。その他の上告理由(量刑不当・事実誤認等)については、刑訴法405条の上告理由に当たらない。
結論
証拠説明の誤謬が文意の合理的な読解により解消される限り、判例違反等の上告理由は認められず、上告は棄却される。
実務上の射程
判決書の記載に細微な誤りや明らかな書き損じがある場合でも、文脈から真意が補筆・修正して解釈可能な程度であれば、理由不備等の違法とはならないとする実務上の解釈指針を示すものである。
事件番号: 昭和25(れ)1300 / 裁判年月日: 昭和25年12月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人による事実誤認および量刑不当の主張は、いずれも適法な上告理由にはあたらない。したがって、旧刑事訴訟法の規定に基づき本件上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人およびその弁護人が、原判決(下級審の判断)に対して上告を申し立てた事案である。被告人側は、原判決には事実の誤認があり、…
事件番号: 昭和26(あ)38 / 裁判年月日: 昭和27年2月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認や量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。また、上告提起期間後に提出された弁護人の上告趣意書については、裁判所は判断を下す必要がない。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起したが、その趣意は事実誤認および量刑不当を主張するものであった。また、弁護人が提出した上告趣意書は…
事件番号: 昭和55(あ)1455 / 裁判年月日: 昭和57年12月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人らの上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、または量刑不当の主張にすぎず、刑事訴訟法405条所定の上告理由に該当しないため、上告を棄却する。 第1 事案の概要:被告人A、B、Cおよびそれぞれの弁護人が、原判決に対し上告を申し立てた事案である。被告人Aの弁護人は事実誤認および量刑不当を、被告人B…
事件番号: 昭和25(れ)1702 / 裁判年月日: 昭和26年3月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当または事実誤認を理由とする上告は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人側は、原判決に対して量刑が不当であること、および事実誤認があることを理由として上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):量刑不当および事実誤認の主張が、最高裁判所…