刑訴第五〇一条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈につき疑義がある場合のことである。 (昭和二五年(す)第二〇一号同年一二月二二日第二小法廷決定刑集四巻一三号二八八〇頁参照)
刑訴第五〇一条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」の意義
刑訴法501条
判旨
刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が不明瞭であり、その解釈に疑義がある場合を指す。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法501条の「裁判の解釈について疑があるとき」の意義、および判決の基礎となった事実認定や判断の当否を同条の申立て理由とすることができるか。
規範
刑事訴訟法501条の「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなく、その意味内容の理解について客観的に疑義が生じている場合を指し、裁判の内容の当否(事実誤認や法令適用の誤り)を争うことは含まれない。
重要事実
申立人は、自身にかかる被告事件の公訴事実が事実無根であると主張。それにもかかわらず、最高裁判所が虚構の証拠に基づく下級裁判所の有罪判決を維持し、上告棄却の裁判を下したことに対し、刑訴法501条に基づき裁判の解釈に関する疑義を申し立てた。
事件番号: 昭和32(す)226 / 裁判年月日: 昭和32年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が不明瞭な場合に限定される。また、上告棄却決定を下した最高裁判所は、同条にいう「刑の言渡をした裁判所」には当たらない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却の裁判に対し、刑事訴訟法501条に基づき裁判の解…
あてはめ
申立人の主張は、実質的には有罪判決の基礎となった事実認定や結論の正当性を争うものであり、判決主文の趣旨が不明瞭であることを指摘するものではない。したがって、主文の趣旨が明瞭でない場合に該当せず、同条の要件を充足しない。
結論
本件申立ては、刑事訴訟法501条所定の理由に当たらないため、不適法として棄却される。
実務上の射程
裁判の解釈に関する申立て(刑訴法501条)の対象が「主文の不明瞭性」に限定されることを明示した点に射程がある。既判力の生じた裁判に対し、事実誤認等を理由に不服を申し立てる場合は、再審(435条以下)等の別の手続きによるべきであり、501条を実質的な上訴手段として用いることはできない。
事件番号: 昭和28(す)556 / 裁判年月日: 昭和29年1月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が不明瞭で解釈に疑義がある場合を指し、上告棄却の決定をした最高裁判所は「刑の言渡をした裁判所」には当たらない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が下した上告棄却決定に対し、刑事訴訟法501条に基づき裁判の解釈を求め…
事件番号: 昭和28(す)634 / 裁判年月日: 昭和29年2月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に基づく裁判の解釈を求める申立ては、刑の言渡しをした裁判に対してのみ許される。上告棄却の決定は、刑を言い渡した裁判には当たらないため、これに対する同条の申立ては不適法である。 第1 事案の概要:被告人(申立人)は、最高裁判所が自らの上告を棄却した決定に対し、その解釈を求めるべく、…
事件番号: 昭和42(す)179 / 裁判年月日: 昭和42年7月4日 / 結論: 棄却
一 刑訴法第五〇一条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、刑の言渡をした判決の主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈について疑義がある場合をいう。 二 上告を棄却した最高裁判所は、同条にいう「刑の言渡をした裁判所」ではない。
事件番号: 昭和28(す)336 / 裁判年月日: 昭和28年7月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に基づく裁判の解釈を求める申立ては、刑の言渡しをした裁判に対してのみ許され、上告棄却の決定はこれに含まれない。 第1 事案の概要:被告人(申立人)は、最高裁判所がなした自らの上告を棄却する決定に対し、刑訴法501条に基づき、当該裁判の解釈を求める疑義の申立てを行った。 第2 問題…