一 刑訴法第五〇一条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、刑の言渡をした判決の主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈について疑義がある場合をいう。 二 上告を棄却した最高裁判所は、同条にいう「刑の言渡をした裁判所」ではない。
一 刑訴法第五〇一条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」の意義 二 同条にいう「刑の言渡をした裁判所」
刑訴法501条
判旨
刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が不明瞭な場合に限られ、また上告棄却判決をした最高裁判所は同条の「刑の言渡をした裁判所」には当たらない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法501条に基づく裁判の解釈に関する申立てにおいて、(1)「裁判の解釈について疑があるとき」の意義、および(2)上告を棄却した最高裁判所が「刑の言渡をした裁判所」に当たるか。
規範
刑事訴訟法501条の「裁判の解釈について疑があるとき」とは、刑の言渡しをした判決の主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈について疑義がある場合を指す。また、同条にいう「刑の言渡をした裁判所」とは、原則として実刑を言い渡した事実審の裁判所を指し、上告を棄却した最高裁判所はこれに含まれない。
重要事実
申立人が、刑の言渡しをした裁判の解釈について疑いがあるとして、最高裁判所に対し刑事訴訟法501条に基づく申立てを行った。なお、最高裁判所は当該事件において上告を棄却した裁判所であった。
事件番号: 昭和28(す)634 / 裁判年月日: 昭和29年2月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に基づく裁判の解釈を求める申立ては、刑の言渡しをした裁判に対してのみ許される。上告棄却の決定は、刑を言い渡した裁判には当たらないため、これに対する同条の申立ては不適法である。 第1 事案の概要:被告人(申立人)は、最高裁判所が自らの上告を棄却した決定に対し、その解釈を求めるべく、…
あてはめ
(1)本件申立の内容は、判決主文の趣旨が不明瞭であるという事情には当たらない。(2)さらに、最高裁判所は本件において上告を棄却したにとどまり、自ら刑を言い渡したわけではない。したがって、最高裁判所は同条にいう「刑の言渡をした裁判所」とはいえず、本件申立ては要件を欠く不適法なものであると解される。
結論
本件申立ては、申立事由の欠如および管轄裁判所の誤りのいずれの点からも不適法であり、棄却される。
実務上の射程
裁判の執行に関する救済手続(刑訴法501条、502条)の要件を厳格に画定した。特に最高裁は原則として申立先にならない点、および主文が明確である限り本条の救済対象とはならない点を確認した点に実務上の意義がある。
事件番号: 昭和42(す)216 / 裁判年月日: 昭和42年7月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条の「裁判の解釈について疑があるとき」とは、裁判の主文の趣旨が不明瞭な場合を指し、上告棄却決定をした最高裁判所は同条の「刑の言渡しをした裁判所」には当たらない。 第1 事案の概要:被告人の上告を棄却した最高裁判所の決定に対し、被告人側が刑事訴訟法501条に基づき、裁判の解釈につき疑…
事件番号: 昭和32(す)226 / 裁判年月日: 昭和32年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が不明瞭な場合に限定される。また、上告棄却決定を下した最高裁判所は、同条にいう「刑の言渡をした裁判所」には当たらない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却の裁判に対し、刑事訴訟法501条に基づき裁判の解…
事件番号: 昭和44(す)273 / 裁判年月日: 昭和45年1月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条にいう「刑の言渡をした裁判所」に上告棄却判決をした最高裁判所は含まれず、また「裁判の解釈について疑があるとき」とは判決主文の趣旨が不明瞭な場合に限られる。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却判決に対し、刑事訴訟法501条に基づき裁判の解釈に関する疑義の申し立てを…
事件番号: 昭和28(す)336 / 裁判年月日: 昭和28年7月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に基づく裁判の解釈を求める申立ては、刑の言渡しをした裁判に対してのみ許され、上告棄却の決定はこれに含まれない。 第1 事案の概要:被告人(申立人)は、最高裁判所がなした自らの上告を棄却する決定に対し、刑訴法501条に基づき、当該裁判の解釈を求める疑義の申立てを行った。 第2 問題…