判旨
上告理由が刑事訴訟法405条各号に該当しない場合、同法414条および386条1項3号に基づき、決定をもって上告を棄却することは合憲である。
問題の所在(論点)
上告理由が刑訴法405条の事由に該当しない場合に、決定をもって上告を棄却する手続(刑訴法414条、386条1項3号)は、憲法14条、32条、37条等に照らして妥当か。
規範
上告理由が刑事訴訟法405条所定の事由に該当しないことが明らかな場合には、刑事訴訟法414条・386条1項3号により、公判手続を経ることなく決定をもって上告を棄却することができる。
重要事実
窃盗傷害被告事件について、最高裁判所が昭和29年7月14日に下した上告棄却決定に対し、申立人が訂正の申立を行った。申立人は、決定による棄却が憲法14条(法の下の平等)、32条(裁判を受ける権利)、37条2項(証人尋問権等)に違反すると主張した。
あてはめ
判決によれば、上告理由が法405条に該当しない場合に決定棄却を行うことは、すでに確立された大法廷判例(昭和24年7月22日決定)の趣旨に沿うものである。したがって、これと相反する見解に基づく憲法14条・32条違反の主張は採用できない。また、憲法37条2項違反等の主張も、刑訴法326条・335条に対する独自の解釈に基づくものであり、原決定を訂正すべき理由には当たらない。
結論
本件訂正の申立を棄却する。決定による上告棄却手続は合憲であり、原決定に誤りはない。
実務上の射程
上告審における「三行決定」の合憲性を支える判例であり、上告理由が不適法な場合の簡略化された終了手続の正当性を基礎づける際に用いる。
事件番号: 昭和28(す)508 / 裁判年月日: 昭和28年10月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意書に記載された事由が刑訴法405条各号の事由に該当しないことが明らかな場合には、同法414条・386条1項3号を準用し、決定により上告を棄却できる。 第1 事案の概要:本件において、申立人(被告人)は最高裁判所に対し判決の訂正を申し立てた。しかし、その前提となる上告審の判断プロセスにおいて…
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…
事件番号: 昭和28(す)246 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して判決訂正の申立てをすることは、刑事訴訟法417条1項の類推適用等によっても認められず、理由がないものとして棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」と題する書面を提出した。その実質的内容は、当該上告棄却決定の訂正…
事件番号: 昭和28(み)19 / 裁判年月日: 昭和28年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決訂正の申立ては、上告審の判決に誤りがあることを理由とするものであるが、本件においては上告棄却の判決に訂正すべき理由が認められないため、申立てを棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人両名に対する強盗被告事件において、最高裁判所は昭和28年5月21日に上告棄却の判決を言い渡した。これに対し、…