判旨
上告棄却の決定に対して判決訂正の申立てをすることは、刑事訴訟法417条1項の類推適用等によっても認められず、理由がないものとして棄却される。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法417条1項が規定する判決訂正の申立てを、上告棄却の「決定」に対して行うことができるか。
規範
刑事訴訟法417条1項は「判決」の訂正について規定しており、上告棄却の「決定」に対する訂正の申立ては、同条の直接の適用対象外であるとともに、性質上も許容されない。
重要事実
申立人は、最高裁判所による上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」と題する書面を提出した。その実質的内容は、当該上告棄却決定の訂正を求めるものであった。
あてはめ
申立書は「決定に対する異議申立」という標題であるが、その内容は上告棄却の決定に対する訂正を求めるものである。しかし、刑事訴訟法417条1項が定める訂正の対象は「判決」に限定されている。決定に対して同条を適用または類推適用して訂正を認めるべき法的根拠はなく、本件申立ては法的に理由がないといえる。
結論
本件申立ては理由がないため、刑事訴訟法417条1項に基づき(またはこれに準じて)棄却される。
実務上の射程
最高裁の決定(上告棄却等)に対しては、判決訂正の申立てによる不服申立てはできないという手続的限界を示す。実務上、決定に対する不服は異議申立て等の適法な手続による必要があり、判決訂正の枠組みを流用することはできない。
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…
事件番号: 昭和28(み)19 / 裁判年月日: 昭和28年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決訂正の申立ては、上告審の判決に誤りがあることを理由とするものであるが、本件においては上告棄却の判決に訂正すべき理由が認められないため、申立てを棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人両名に対する強盗被告事件において、最高裁判所は昭和28年5月21日に上告棄却の判決を言い渡した。これに対し、…
事件番号: 昭和28(す)310 / 裁判年月日: 昭和28年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法415条に基づく判決訂正の申立において、申立書に記載された弁護士であっても、裁判所に弁護人選任届が提出されていない場合には、正当な申立権者として認められない。 第1 事案の概要:強盗殺人被告事件について、最高裁判所が昭和28年6月16日になした上告棄却決定に対し、判決訂正の申立がなされた…
事件番号: 昭和28(す)508 / 裁判年月日: 昭和28年10月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意書に記載された事由が刑訴法405条各号の事由に該当しないことが明らかな場合には、同法414条・386条1項3号を準用し、決定により上告を棄却できる。 第1 事案の概要:本件において、申立人(被告人)は最高裁判所に対し判決の訂正を申し立てた。しかし、その前提となる上告審の判断プロセスにおいて…
事件番号: 昭和27(す)438 / 裁判年月日: 昭和27年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決内容に誤りがあるとして提起された訂正の申立について、裁判所の検討の結果、前示裁判に誤りが認められない場合には、刑事訴訟法417条1項に基づき申立を棄却すべきである。 第1 事案の概要:本件は、最高裁判所が既に行った裁判に対し、申立人が別紙(判決文上は省略)記載の趣旨に基づいて判決の訂正を申し立…